アレルギーにもやさしい低蛋白パン ノンアレコムギコ
2002年11月5週号
ノンアレコムギコの宮原秀行さんは京都で、アレルギーに配慮したパン作りを心掛けていらっしゃいます。
1985年に脱サラをして、パン屋を始められました。アレルギーに配慮した薄力粉パンを始められたきっかけは、知り合いのアレルギー外来の病院の先生から、できるなら玉子、乳製品などをカットしたパンを、アトピーなどで困っている人たちのために作ってあげてほしいと言われたことからでした。
それ以来、小麦粉やその他の原料にもこだわった天然酵母パンを開発なさってこられたのです。アトピーなどのアレルギーリスクは、農薬の汚染が少ない方が、また蛋白含量も少ない方が、アレルゲンの量が当然少ないので、低いと言えます。したがって輸入強力粉より、低蛋白であり、ポストハーベスト農薬の心配のない国産薄力粉でパンを焼く方がアレルギーの子にはやさしいと言えるのです。
しかし、小麦粉グルテンの含有量の少ない低蛋白の薄力粉でパンを焼くことは、技術的にはとくに発酵が難しくなります。宮原秀行さんは、この難問を技術的にクリアなさっています。ノンアレコムギコをご紹介いただいたのは、中村敏美会員です。中村敏美さんより、ノンアレコムギコのパンがおいしく食べられたので、子どもが学校給食のコッペパンの代わりに持っていけるコッペパンをノンアレコムギコさんで作ってもらえないかというご提案をいただきました。このご提案を受け、中村敏美さんにも開発に同席していただいて、ノンアレコムギコさんの方で、快く希望通りのコッペパンを開発していただけたのです。薄力粉のパンを食べるということは、アトピーの子どもにまた1つ安心アイテムが増えることであり、それだけ危険な輸入小麦を食べずに済むことになり、国産小麦の新たな需要を生み出すことにもなるのです。
●ノンアレコムギコの手作り国内産薄力粉『天然酵母パン』
◆原料
①薄力粉 北海道産小麦粉ホクシン(旭製粉)
②てんさい糖 北海道産ビート糖
③赤穂の天塩 2000年4月第4週カタログ表紙参照
④天然酵母 ホシノ天然酵母
⑤オーガニックレーズン
カリフォルニア産、CCOF認証
(レーズンパンにのみ使用)
⑥菜種油(離型剤として)
影山菜種油、1999年10月第1週カタログ表紙参照
◆製造方法
①ホシノ天然酵母 準備発酵(約30℃で36時間)
②小麦粉、砂糖、塩 秤って混合
③発酵
④分割 手作業で行いますので、分割機(通常は危険な油を使用)を使用していません。
⑤型に入れて、休めてから焼く
離型剤として危険なものを使わず、菜種油を使用。
道具の洗浄に合成洗剤も使いません。
保存剤、品質改良剤、イーストフード、ベーキングパウダー、
着色剤などの化学物質を一切使用しておりません。
⑥包装 日持ちするよう、コストはかかりますがエージレスの包装をしています。
賞味期限は2週間としていますが、食べるのが早ければ早いほど
おいしくいただけますので、早めにお召し上がり下さい。
◆市販のパンの問題点◆
ポストハーベスト農薬の汚染の深刻な輸入小麦粉で作るパンは、とくに危険な食品の1つと言えます。膨張剤として使うイーストフードは食品添加物の固まりです。短時間に薬品で膨らませるため、小麦粉が分解して旨味成分が出る暇がないので、味つけに放射能汚染の心配な輸入脱脂粉乳などの乳製品が使われています。市販のパンには、離型剤(流動パラフィン、ショートニングなど)、保存剤、品質改良剤、合成着色料など様々な食品添加物が使われています。
良質な砂糖、塩が使われることもなく、その他チョコレート、クリームなどの副原料も問題だらけです。例えばレーズンは、バラバラになって使用しやすいように発ガン性の心配な流動パラフィンをレーズンにコーティングしています。
―文責 西川栄郎―