ドイツで出会った子ども達の心を豊かにするおもちゃ

2001年4月3週号

 

(有)フロイデでは、ドイツの環境団体ビオラントやシュタイナーの人智学に基づいて地球に感謝する生き方を模索する人々との出会いの中で、ドイツの伝統あるすばらしい木のおもちゃや子供達が安心して使えるシュタイナー教材など約6000点を扱っています。 フロイデの長谷川勝好社長は、21年前の1980年よりこの活動を続けています。1991年からは、病院でセラピスト(非言語領域)もされています。フロイデを始めたきっかけは、30年前からの障害をもつ子供達との福祉活動において、子供達が安心して遊べるおもちゃがほしいと思い、探し始めたことでした。

おもちゃにも危険な顔料が使われていたり、子供が手でつかんだり離したりするには大きさも、形も不適切なものがほとんどだったりするのです。もちろん国産の木製のものも検討しましたが、おもちゃというよりお土産のようなものでしかなく、納得できるものがなかなかありませんでした。そうして、現在取扱っているドイツ製のものに出会ったのでした。
 ドイツは公教育の祖ペスタロッチ、幼稚園の創始者フレーベル、人類の生きる知恵を後世に伝えるための人智学のシュタイナーなどの豊かな教育の歴史があり、子供は豊かな子供時代を過ごすべきだとの考えがあります。このような伝統に育まれて、ドイツには心を本当に豊かにするおもちゃや教材が発達したのでした。
フロイデは阪神淡路大震災のおり、神戸市長田区にあった倉庫が焼けてしまいました。その時はこの活動をやめてしまおうかと思われたそうです。しかし、続けていただいたおかげで、私達と出会わせていただき、感謝です。
フロイデの取扱い品目
フロイデでは、人と人とが出会い、心響かせ合い、支え合うこと、そして子供、ハンディを持つ人、高齢者、そしてあなたと私が共に生き、共に暮らし合う、そのような新しい、もう一つの暮らしを提案し続け、以下の項目を取扱っています。フロイデの取扱い品にはすべてCE(ツェーエー)のマークがついています。CEマークとは、ヨーロッパの国家間の子供用品の安全基準で、世界で最も厳しい製造物製造基準です。大きさ、形態、塗料、強度などに関するそれぞれの基準に適合したものだけにこのマークが認定されます。

CEマークの含有安全基準値
(すべて1kg中に含まれる量で、これ以下でなければいけません)
アンチモン……………………60mg
ヒ素……………………………25mg
バリウム…………………… 250mg
鉛………………………………90mg
カドミウム……………………50mg
水銀……………………………25mg
クロム…………………………25mg
セレン……………………… 500mg
ちなみに、日本製品は日本の工業基準に頼っているため、ほとんどCEマークの基準適用をクリアできません。

CEマーク基準適用商品
 水彩色鉛筆、安全フェルトペン、スタンプペン、
 水性カラーマーカー、透明色鉛筆、ケラミック粘土、チョーク類
このCE基準よりさらに厳しいドイツとスイスの食料安全基準に適合している商品は蜜蝋クレヨン、透明水彩絵の具です。
その基準は含有安全基準(1kg中、これ以下)
アンチモン……………………1mg
ヒ素………………………… 0.5mg
バリウム………………………10mg
鉛…………………………… 0.3mg
カドミウム………………… 0.1mg
水銀…………………………0.02mg
クロム…………………………2mg
セレン…………………………10mg

<各種品物ご紹介>
 フロイデの今回の商品のご紹介は、別紙カラーチラシの通りです。チラシ(裏面の商品番号でご注文下さい)を見てご注文下さい。品物は翌々週の配達です。もし注文が多くて欠品する場合でも、2~3週間の遅れでお届けいたします。また、この他の種類の品物も随時ご紹介していく予定です。

◇乳幼児、子供の遊び道具
木のおもちゃ、ゲーム、パズル、木製生活道具、安心運動遊具
◇乳幼児の安心生活雑貨
スキンケア用品、木製スプー
◇美術教材
蜜蝋粘土、蜜蝋クレヨン、透明水彩絵の具、透明色鉛筆、植物色鉛筆、植物水彩絵の具、植物クレヨン、筆、画用紙
◇音楽教材
グロッケン、打楽器、ライアー、ブロックフレーテ、オルゴール
◇手仕事教材
メルヘンヴォレ、草木染ウール、草木染フェルト、
◇手染めコットン、草木染シルク、手織り、ステッチ、シュタイナー教材クラフトキット、その他の手作りキット
◇暮らしのエコロジー雑貨
 木製スプーン、木製皿、木製椀皿、蜜蝋キャンドル、燭台、キャンドル照明器具、ドアハープ、陶器
◇ヒーリングアイテム
メルヘンフーゲル、ウィンドチャイム、アロマテラピー用品
◇ヨーロッパの工芸品 スイスオルゴール、クリスマスセット、木彫人形
◇メルヘン絵本&書籍
 直輸入シュタイナー絵本、ライアー教則本、人智学関連書籍、ポストカード

市販の教材、玩具の問題点
1978年、アメリカのCPSC(消費者製造物安全委員会)は、重量%として0.06%以上の鉛を含む塗料およびそれを使用した玩具などの子供用品、家具類を禁止しました。それは、塗られた塗膜が劣化し、それを幼児が経口摂取してしまうことから鉛中毒が生じていたためでした。一般に子供の方が大人より鉛の感受性が高く、学習能力障害、聴覚障害、成長遅延などの毒性が現れます。
1992年、米国議会は鉛危害を減らすため、塗膜中の鉛重量%を0.5%として法令化しました。
日本では食品衛生法に玩具中の鉛に関する規制があるものの、一般に用いられる塗料に鉛の規制はありません。そのため、山口大学教育学部入江和夫先生の調査によれば学校の運動場の遊具の塗料から高濃度の鉛が検出されています。
1994年5月、トンボ鉛筆のクレヨン「ピコ」が基準を上回るバリウム化合物を含んでいたとして香港税関で押収を受け、回収を行いました。水溶性のバリウム化合物は有害で、誤って口に入れると筋肉がひきつけを起こしたり、心臓に悪影響があるからです。ちなみにエックス線造影剤として使われる硫酸バリウムは不溶性です。ヨーロッパでは玩具や子供用品に関するバリウム化合物の安全基準を1990年から施行され、香港でも同じ安全基準を1993年に導入していました。日本ではこのような安全基準が特に定められていません。
1994年12月にも、香港で日本製色鉛筆、クレヨン、絵の具(三菱鉛筆、コーリン鉛筆、ぺんてる、サクラクレパス)などに規定以上のバリウム、鉛などの重金属化合物が発見されたと発表し、13万セットが押収されました。
クレヨン、鉛筆、絵の具以外にも、スタンプペン、チョークにも鉛や水溶性バリウムの心配があります。
消しゴムには環境ホルモン、粘土には増粘多糖類など石油系の溶剤、フェルトペン(マジック)には揮発性物質(フロイデの商品には代わりに酢を使っています)、シャボン玉には合成界面活性剤などの問題があります。
このように、子供達が犠牲にされてきているのです。

―文責 西川栄郎―

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