手造り生鮮品の化粧品 ゼノア
2001年10月1週号
女性にとって化粧品は必需品です。しかし、いうまでもなく「美容」について、化粧品にすべてを求めるのは間違いであり、正しい食生活と落ち着いた精神生活が作ってくれた健康な肌が基本です。化粧品の役割はその肌を外界の刺激から守ること、そして美しく装うことです。
ゼノア化粧品の最大の特徴は皮脂に近い人工皮膜で肌を覆い、メイクはその上に行うという考えです。化粧品も、食べられるような安全なものを、というまともに見える宣伝をするメーカーもあります。しかし、それらのメーカーのほとんどは個々の天然系成分の抽出に使うキャリーオーバーの薬品の存在を意図的に隠していたりしています。
食の安全を求める人たちがだまされやすいのは無添加や天然系を標榜するメーカーの化粧品です。化粧品の機能にとって一番大切なことは肌によく、肌に合うかということです。肌にとってはまったく無意味な天然系成分を塗っても、肌には何の役目も果たさないだけでなく、かぶれることもあるのです。食品添加物の延長線上で化粧品を理解しようとすることは、肌にとって必ずしも良いことにはつながってはいないのです。
肌を傷めないためには、少なくとも肌の自然の防御機構であるバリアゾーンを破壊しないことです。一般の美白化粧品はこのバリアゾーンに合成界面活性剤で穴をあけて、バリアゾーンより深部にあるメラニン色素を漂白しようとするもので、使われている合成界面活性剤も、漂白剤も発ガン性や環境ホルモン作用のような毒性が問題となります。
ただし、美白化粧品の中でも肌表面のみをアスコルビン酸で漂白する程度のものはとくに問題にする必要はありません。市販の化粧品の場合、合成界面活性剤は「乳液」や「洗顔フォーム」でとくに問題となります。ゼノアでは、原則として合成界面活性剤は使用していません。しかし、どうしても界面活性剤を必要とするアイテムにおいては、石鹸素材を使うか、もしくはバリアゾーンに影響を与えない合成界面活性剤を使っています。また、防腐剤・防カビ剤などは極力使用を控えていますが、使用がやむをえないアイテムについては使用量を薬事法許容量の1/10に抑えて使用しています。したがってクリーム類の開封後は冷蔵庫で保管するのが望ましいのです。
メーキャップ化粧品に使われる色素については、地質顔料・紅花・ビタミンB12などを使い、タール系色素やレーキ色素は使用していません。
肌は弱酸性で、細菌感染を防いでいます。したがって化粧品も弱酸性が好ましいのです。一般の化粧品はさまざまな有害な化学薬品のかたまりで、添加物漬けの保存食品のようなものになっていますが、ゼノア化粧品はいわば生鮮食品のようなレベルのものといえます。また、製造工程も手作りレベルの丁寧な工程が多く、だからこそ満足のいく品質が維持されているのです。
ゼノアでは、すぐに洗い流す洗浄用化粧品や化粧の上に載せるメイキャップ化粧品以外はガラス容器を使用し、環境ホルモンなどの溶出がないよう配慮し、また少しでも環境負荷を軽減するためプラスチック類の使用を控えています。
■市販の化粧品の問題点■
最近では、気軽にメイクができ、安易に洗顔ができます。また、そういった化粧品でないと流通しないのが現状です。
その結果、「シットリ=保水」という考えから、脱脂力・洗浄力が強く、浸透性を有する化粧品が主流になってきました。「洗顔オイル」という「オイル+洗剤」で洗顔し、「乳液」という「洗剤+意味のない保湿成分」で潤い、「美容液」という「合成樹脂」で皮膚の環境はボロボロです。
弱酸性で適度な膜質で皮内水分を保湿してくれている皮膚環境を壊してまで人工的に水分を混入すると、皮膚のタンパク組成が紫外線や環境にさらされて、さまざまな影響をまともに受けてしまいます。
同様に、一般の美白化粧品のように肌のバリアゾーンを破壊するのは危険です。使われている合成界面活性剤や美白作用のある薬品(コウジ酸・アスコルビン酸・ハイドロキノン・アルブチンなど)の毒性だけでなく、他の化粧品に使われている化学薬品、例えば細胞毒性のあるタール系色素やレーキ色素も体内に深く浸透を許すことになるからです。最近では落ちにくい化粧品もブームになっており、より落ちにくい薬品を落とすためにさらに強い合成界面活性剤を洗浄剤として使うという悪循環になっています。
UVカット化粧品もブームになっていますが、その多くに紫外線吸収剤が配合されています。もとはといえば印刷用インクの褪色防止剤だったフェノール系やアミン系の化合物(パラアミノ安息香酸・オキシベンゾン・ケイヒ酸系・ジベンゾイルメタン系)であり、やはり発ガン性や環境ホルモン作用が問題とされる危険なものです。また汗で流れないよう撥水性の強いシリコンを使っていますので皮膚にピッタリついて皮膚環境を阻害し、皮膚呼吸も妨げます。UVカット商品を選ぶなら、酸化チタンのようないわば鉱物で肌の表面を覆って紫外線をはね返すような種類のものにすべきです。
一般の化粧品に、このようなさまざまな化学薬品が使われることを知っている人は「無添加」や「天然系」にだまされてしまう傾向があります。例えばアレルギー原因物質としての指定成分は配合していないと言いつつ、実は合成界面活性剤を配合して、防腐剤を必要としないものや、油脂の代わりに合成樹脂を使用して粘りを持たせ、カビが生えないものがあります。
もともと他の成分も、指定成分でなくとも、いわば添加物のようなものでできているのが一般的です。また、目立つ防腐剤のパラベンは避けてあまり知られていないフェノキシエタノールを過剰に使って、かえって毒性を強めてしまっているケースもあります。
さらに、○○エキスという「天然系」を謳うものも、原料抽出の段階で1,3ブチレングリコールなどを使ったキャリーオーバーのあるものも多いのです。
これまで化粧品メーカーは消費者に情報を公開することなく、イメージだけで、むしろ肌を傷つけるような化粧品を高く売りつけてきたのです。女性の肌を食い物にし、悪どい金儲けを続けてきているのです。肌の防御は22歳ぐらいで完成します。だからそれ以前に、最近ブームになっている子供用化粧品を使うことは危険でもあり、不必要です。
化粧品会社は全国で4000社以上あるといわれていますが、その中の少なからずの会社は、台湾など劣悪な衛生状態の工場で、雑菌だらけの天然系原料を混ぜているような下請工場で適当に作らせたものを売り、しばらく荒稼ぎして、被害が発覚する前に会社をつぶし、次々に新しい会社を興しては売り抜けていくというやり方をしているのです。下請けメーカーの中には、40社以上の製品を作っているというところもあるのです。
今春から、化粧品成分は法律によって全成分表示が義務付けられました。しかし、1年半の猶予期間を悪用したり、表示義務のない医薬部外品に逃れたりしています。またキャリーオーバーがあって、その成分の抽出方法まで明示されているわけではありません。また、見慣れない化学薬品が羅列されていても、どのような作用を果たすものか素人にはわかりにくかったり、何か耳ざわりのよさそうな天然成分が無意味に配合されているものが実に多いのです。
***メイクの安全対策***
メイクでお肌を傷めないために、次の4項目を心がけてください。
A:指定成分に赤色…号、黄色…号と表示されているのはタール系色素のことです。
とくに「肌に密着するメイク」ほど、この確認は重要です。
B:ファンデーションクリームは出来るだけ固めのものを
選んで、薄く伸ばして使いましょう。
C:下地は脂気のあるものを使いましょう。
D:メイク落としに洗顔フォーム(洗剤系)は避けてください。
メイク落としは
①無水コールドクリームでマッサージして、メイクをよく浮かし、
②蒸しタオルで蒸してふき取り、
③洗い粉(土質系)、または石けんで洗い落とします。
―文責 西川栄郎―