金子製麺PARTⅡ おいしからおもしろい、全粒粉うどん
2000年9月3週号
前回に引き続き、金子製麺のご紹介です。4代目、金子貴司さんは以下のことにこだわって麺作りをされています。
①安全性、味、風味を大切にする原料の小麦は、無農薬の関東産(群馬、足柄)「農林61号」。
②納得のいく小麦粉を作るため、品質を低下させない低速回転の小型製粉機による自家製粉。
③コクのある全粒粉。
④小麦粉以外も良質な塩と水だけのシンプルな原料。もちろん無添加。
⑤水を加えてグルテンを引出し、そのグルテンででんぷんを包むように仕上げる。
すなわち手打ちのうまさの原理と同じ、多加水熱製麺機の使用。
⑥天井につけた大型扇風機による常温室内乾燥。味を大切にするためのじっくり乾燥です。
≪金子製麺の麺類≫
◆原料
①自家製粉全粒粉
②自家製粉地粉
地元、神奈川県(丹沢おろしでうまい)の農家や群馬県(上州おろしでうまい)の宝泉有機農産物組合と契約した栽培時無農薬栽培の小麦(生産者は田村久嘉さん、新井四郎さんら。農薬散布、燻蒸をしていませんが、一部の麦畑の表作の米が低農薬栽培のものが含まれています)を使用。
品種は麺にあったコクのある「農林61号」です。この「農林61号」を自家製粉しています。古くから使われている小型の低速回転の製粉機で時間をかけて、製粉します。ゆっくりと製粉するため、小麦への負担が少なく熱による変成をあまりうけません。そのためうまみの逃げていない、風味のとってもよい全粒粉の小麦粉となるのです。
③シラネ地粉
車屋うどん・そばシリーズは、上記自家製粉小麦粉(全層粉)とシラネ地粉(日殻製粉、
長野県産100%小麦粉)を混合使用しています。
④自家製粉そば粉
地元足柄、長野、茨木、北海道の契約栽培の生産者のそばを自家製粉しています。
品種は「キタワセソバ」。
⑤塩…赤穂の天塩
⑥よもぎ粉末…埼玉産
⑦黒ごま…国産(鹿児島県、埼玉県)
⑧茶…静岡園「食べる緑茶」(無農薬)
⑨昆布…北海道産
⑩椎茸粉末…群馬県産、福島県産
椎茸の栽培方法が確認できませんので、菌床などへの遺伝子組換え原料の使用未確認です。
打ち粉(生麺のみに使用)…でんぷん(サツマイモ、ジャガイモ)
ジャガイモは北海道産、非遺伝子組換えのものです。
サツマイモは鹿児島産。
≪作り方≫
うどんの原料は小麦粉と塩と水だけ。そばの場合はそば粉、小麦粉、塩、水だけ。単純なだけに素材の良し悪しがそのまま仕上がりに反映します。
混捏は多加水熱製麺機で行います。水によって小麦粉からグルテンを引き出し、その伸縮性のでたグルテンででんぷんを包むという機械で、手打ちのうまみの原理と同じことをしていることになります。
圧錬は、この麺塊を上下のローラーで押しつぶし、平たい麺帯にします。熟成はこの麺帯で1~2時間行います。熟成された麺帯は圧延ローラーで段階的に薄く延ばされます。さらに切出しロールにかけて線切りにしていきます。
仕上がった生麺は、天井からゆっくりと何台もの大型扇風機が回る部屋でじっくりと乾燥します。
乾燥が終わった麺を束ねて切断し、自動包装機にかけられ、袋詰めして出荷です。生麺の場合は、脱酸素材(鉄粉)
常温による室内乾燥風景
一般品の問題点
うどん・そうめん・そば
カタログ2000年5月第4週21号表紙をご参照下さい。
ラーメン
カタログ2000年5月第3週20号表紙をご参照下さい。
市販の(例)
生うどん
小麦粉、小麦蛋白、小麦胚芽、ライ麦粉(以上、ポストハーベスト農薬)、でんぷん(遺伝子組換え)、植物性油脂、植物性蛋白(以上、ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え、n-ヘキサン抽出)、卵白、ゼラチン、乳蛋白(以上、ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え、飼料添加物、動物医薬品)、食塩(精製に問題)、アミノ酸(脳障害)、乳化剤、酸味料、増粘多糖類、糖類、酒精(合成エチルアルコール)、クチナシ色素、トレハロース
乾うどん・そうめん・ひやむぎ・そば
小麦粉(同上)、そば粉(ポストハーベスト農薬)、でんぷん(同上)、植物性油脂(同上)、食塩(同上)、酢(粗悪)、ワカメ、山芋、抹茶、しそ粉末、酵素、ph調整剤、コチニール色素、クチナシ色素、紅花色素
―文責 西川栄郎―