正しい歩き方と骨格の発育のために、幼児の靴や小学生の運動靴が大切です。

1999年3月1週号

 

文部省が毎年子供の体力低下のデーターを発表しています。その原因には、食生活の悪化による基礎体力の低下や、外で遊ぶことが少なくなった子供の運動不足などが考えられます。日本教育シューズ協議会の深澤守さんは幼児期の靴や小学生の運動靴もその原因の一つとして気を付けるべきだと考えておられます。
 不適切な靴を幼児期から履かされると正しい歩き方を身に付けることが出来なくなり、将来の骨格の発育にも問題が発生します。とくに小学生の体育は正しい運動機能や正しい歩行機能を、生涯に向って準備する大切な時です。体育館シューズは、その体力作りにストレートに影響をもっているのです。しかし、例えば多くの小学校で採用されている体育館シューズは、通気性の全くないビニール製(ゴム糊張合せ布)で、伸び縮みもしなく、素材が薄く粗悪です。その為十分に運動ができないだけでなく、下の堅いところでは動くときの衝撃のため、関節炎になったり、踵の骨端核が失われるなど、骨格に障害が発生しています。とくに一本ゴムバレーのビニール製上靴は昭和50年4月4日京都の日本衛生学会にてドクターストップがかかりました。これらがモンキーウォークをする、足のひ弱な現代っ子の原因となっているのです。
 しかし、ほとんどの靴メーカー、スポーツメーカーは真剣に小学校体育を考えたシューズを製造していないのです。また多くの学校で、その悪い靴を指定したまま、子供に対する責任を回避しているのです。
 子供が生活の大半を送る学校で、足に良くない上履きを履かせているのを廃止すべきです。学校や行政の理解も大切ですが、まず親が目覚めるべきです。どんな靴を履かされても、子供は親に何も言えないのですから。発育盛りに楽しい遊びをたくさんして、いろんな運動を体が憶えるのが良いのです。その為には運動量を増やし、運動の質を高める靴を考えることが必要なのです。
 にもかかわらず靴に関する情報はなく、嗜好や価格、慣習が基準の安易な靴選びがされているのです。そして、外反母趾などの指の異常、踵骨損傷、土踏まずの異常、疲労骨折、皮膚炎などになっているのです。
いい靴の条件
 ①通気(ムレない)
 ②吸湿(汗を吸い取る)
 ③伸縮(柔らかい)
 ④屈曲(足が自由に動かせる)
 ⑤安全(衝撃より骨を護る)
 ⑥適合(フィットしている)
この6つの条件を満足していなければなりません。

足がいい位置におさまるもの。履きにくいが、ぬげにくい、一日履いていてもうっとうしくない靴が良い。黙っていても飛び上がりたくなる靴が良い。最高速度で歩けること、馬力がいっぱい出せること。かかとがいっしょに上がること。足の中央横側が動かないこと。足の前の部分が広くゆったりしていること。甲が高く、抑えつけないこと。かかとなど衝撃にやさしいこと。でこぼこから足を守れる強度があること。などです。
また靴は目的に合った正しいものであることも大切です。サッカーのときはボールを蹴る足と支える足がブレないよう一時的に固定できる靴がよく、バスケットシューズは長時間なら、ハイカットが良く、遊び程度ならローカットでも良い。歩く仕事の場合は歩くエネルギーの省エネ型のもの、車の運転は底の堅い靴が良いなどです。高いスポーツシューズが必ずしも万能ではないのです。
≪日本教育シューズ協議会、用途別お推めの靴≫
会員の紹介でいい靴の条件をとことん追求している日本教育シューズ協議会と出会いました。「靴の中で指が楽に動かせる」「靴が足に吸いつく」「走りやすい」「足がムレず、臭くなくなった」などの感想が寄せられています。但しとくに足幅の狭い子の場合、足がつま先に滑っていき、足の指に負担がかかります。急に止まるなど激しい運動で、足が前や横にぶれるので、布などで調整が必要になることがあります。

<幼 児>
 ●はだしでいるのが一番良い。
 ●赤ちゃんの外履は足首がとまっているフェルト製のものも良い。
 ●14cm以上になると「JES吸圧200」
 ●幼稚園や保育所への通園用外靴としては「JES通園」
<小学生> 
 ●体育館シューズ、上履として「JES吸圧200」
 ●屋外用「JES吸圧Ⅰ型」高学年では「JES7型」が人気

◆JES通園:幼稚園、保育所の外靴。耐久性あり。
平均年間20mm、1才から5才までは足の成長度が最も高い時期です。また、幼児期は神経が運動機能を覚える、生涯体育の中で最も大切な時期です。しかし、幼稚園児用に足の健康を考え作られたシューズはほとんどありません。

◇JES吸圧Ⅰ型:小学生の屋外シューズ グランド、通学用
ソフトに足にフィットします。カカトに吸圧材を入れることによって悪玉の衝撃より足をガードし、跳び、走り、踏ん張る。グランドにおける体育実技を充分可能にします。通学にも使えます。

◆JES7型:ジョギング用、小学生5~6年、中学生の通学、グランド用
運動中の足の体重移動を考えながら開発されたグランド体育用のシューズです。運動時の衝撃吸収のために独特のEVAスポンジを靴底に使用してヒールストライクより足を保護しながら運動量の増加を生み出しカルシウムの摂取を助けます。路面把握力、前後-左右へのスリップ防止に配慮。

◇JES吸圧200:上履き、体育館用屋内シューズ
通気性のある木綿2重機の甲皮を使用、足の固定部のカカトにアールをつけ安定させ、足の可動部の足指部分は広く大きな三角ゴム帯によって柔軟性抜群です。ラインで横ぶれを少なく従来の底ゴムより厚くカカトには悪玉衝撃よりカカト骨をガードする機能があります。
すべらないストップ効果。スッポ抜けのない適合性。外反母趾予防。洗って天日干しにでき、のびっぱなしにはならない。やぶれにくく丈夫な素材、やぶれても縫える。(普通は縫えない)

◆JES100:中学生の通学、グランド用
耐久性テニスコート以外のグランド用、サッカー用、バスケ用。通学、屋内外シューズ、万能型。
マッ白の通学靴をとの願いから開発された、通学・グランド・体育館用のシューズです。甲皮はクラリーノ製でエアベンチレーションによって足ムレを防止しています。カカト部分をキッチリと固定し、靴底は様々な方法によってヒールストライクより足をガードする仕様を採用しています。外反母趾予防設計。

◇JES10型S: 大人用におすすめ!
甲強くボールを蹴るのに良い。堅い底、シャトルランニングよこも安定。大人が歩くのにも最適。

―文責 西川栄郎―

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