酪農王国㈱の地ビール「風の谷のビール」新登場です!

1998年5月1週号


 風の谷のビールは原料の国産化は、現在のところモルトの15%です。残念ながら残りは放射能レベルが心配なヨーロッパ産です。また、塩化カルシウムや硫酸カルシウムなどのPH調整剤は使用されていません。
 さらに原料の国産化を進めていただけることもあり、市販のビールが遺伝子操作、ポストハーベスト、放射能汚染の心配な輸入原料ばかりという現状の中ではこのような試みは是非とも応援していきたいと考えています。
 熱海駅から車で15分ほど喧燥を抜けワインディングロードを登り詰めると眼下にほのぼの、ぽっかりと忘れられたような小さな盆地が見渡せる。

 「こんな所があったんだね。」人をホッと和ませるような場所、丹那。いつもさわやかな風が吹いている、酪農の里。
 このビールも人々の心をつむぐ「たおやかな風」になりたい。そんな思いで名付けた「風の谷のビール」これから、よろしくお願いします。

『風の谷のビール』概要
◎モルト工房を持つ地ビールブリュワリー
ビールの原料は、モルトです。大麦のでんぷんを発芽時の酵素で糖化しやすい状態にして乾燥したものですから、おおもとの原料は大麦です。
 地元の農家と共に地域の品種名が付けられた、ビール好適麦『天城二条大麦』を2年間かけて有機栽培し、やっと醸造原料に使用できる収穫量(約8t)を得ることができました。
 当工房内にはこの大麦を製麦製造する「モルト工房」が併設されており、100%有機栽培大麦を使用したモルト生産工房は、地ビールメーカーとしては全国唯一の場所です。 これも約20年に渡る、有機栽培の自給飼料を牛に与えてきた丹那の栽培技術があっての賜物です。

◎そしてこだわる、原材料
その他の使用モルトは、ドイツのモルトメーカー『ワイヤーマン社(バイオランド基準をクリアーしたドイツ初のメーカー)』が作るオーガニックモルトで、もちろんホップも同基準のオーガニックホップです。
 大麦は近くの農家と契約栽培し、2名のマイスターが栽培・品質管理にあたっています。
『風の谷のビール』の最大のこだわりは、安全でおいしいビールを、安心して飲んでいただくことです。そのために、できる限りのこだわりを続けます。
◎さらにこだわる、水の醸造技術
醸造指導を受けたチェコ共和国“ケスケ・ブデヨヴィス市”にある、ブリュワリーの醸造水の採水井戸が300m。酪農王国敷地内にも300mの深井戸を掘りました。水質も非常に似ている軟水です。
 そして今、世界中で最もポピュラーな「ピルスナータイプ」を生んだチェコの伝統的醸造法に加え、ドイツから醸造研究員を招き、ドイツの最新技術を生かすビールを醸造しています。さらに、おいしいビールを造る研究は、100L規模のマイクロプラントで試みられています。これもまた、地ビールメーカーでは珍しいことです。
◎まだまだこだわる、環境配慮型地ビールブリュワリー
麦汁を搾ったあとのモルトかすは、もちろん酪農飼料に再利用、おいしい牛肉となって、やがてレストランのメニューに。
 すべてのビンは、リユースを前提としたリターナブルビン(330ml)のみです。しかも印刷ビンを使用しています。貼りラベルですと洗ビン時に水質を過剰に汚染してしまうからです。
 工房内には、リターナブルビンの洗浄設備や1時間1000本規模の簡易無菌充填能力を備えた「ビン詰め室」が併設されております。
 そしてすべての排水は、循環型水処理プラントでBOD1~3ppmに浄化され、さらに黄しょうぶやアシの植えられた調整池を経て、河川に放流されます。
 ここも地ビールでは最大最新技術設備です。

-文責 西川栄郎-

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