虫歯の予防にはブラッシングが大切です
1998年9月4週号
ちゃんとした歯医者なら、虫歯の予防にはブラッシングが大切なことを指導します。ブラッシングとは「歯を磨く」ことではなく、「歯垢を取り除くこと」と「歯グキをマッサージすること」です。つまり、歯科用の歯ブラシなどを歯と歯グキのつけ根にほぼ45°にあてて、小刻みに振動させればよいのです。
この際、ハミガキ粉は不要です。ハミガキ粉をたっぷりつけて長時間歯をごしごしこするのは、歯がすり減ってかえって痛むこととなります。ましてや、有害な合成洗剤を含む市販のハミガキを口に含むようなことは、粘膜から体内に吸収されること、舌の味を感じる味蕾を破壊することなど体によくありません。
どうしても爽快感を味わいたいなら、石けんハミガキをマッチの頭くらいの量をつけて歯ミガキするのでよいのです。白砂糖を控えて(砂糖は虫歯菌のエサになり、歯のエナメル質をその代謝物で溶かすだけでなく、体液を酸性に傾け骨や歯そのものをもろくする)、ブラッシングするのが歯周疾患の予防のコツなのです。
アイディア商品「ハピカ」を御紹介します
電動歯ブラシは高価で、ものぐさ用かと思っていましたが、歯周疾患の予防や治療に効果のある「ハピカ」というアイディア商品が、雑誌や新聞で話題となっています。オルター大阪でもすでに会員からの提案で取扱ってきました。
「ハピカ」は(株)ミニマム(岡田英二社長)の大ヒット商品で、わずか定価580円の電動歯ブラシながら、大手メーカー製の電動歯ブラシと比べても①高い歯垢除去効果②有効な歯肉炎予防効果③歯・歯周組織への副作用なし、の効果が認められています。(①日本歯科大学・歯周病学教室臨床テスト報告②パリ大学③ニューヨーク州立大学)そしてアメリカ歯科医師会認定、フランス国立口腔歯科衛生委員会推薦を得ているのです。
しいて欠点をあげれば、材質がプラスチック製であること(耐久性は1年間)、電池(単3)を使うということで環境対策がないことです。もちろん、他の歯ブラシ全てがプラスチック製であることを考えれば、ハピカだけの欠点ではありませんが。
ハピカ
ハピカは毎分7000回の超微細に振動する毛先と独自のタタキ振動が特長です。普通に磨くだけで歯グキをマッサージし、血行を促進します。もちろん、歯垢も落とします。 (株)ミニマムの岡田社長自身が歯槽膿漏になったため、高周波洗浄をヒントに開発したものです。歯を磨きすぎで歯グキそのものを痛めて医者に叱られ、試行錯誤を重ねながら歯グキを痛めない歯ブラシを開発された。通院していた歯科医院で正しい歯の磨き方を教わるが時間もかかり面倒だ。
もっと簡単に磨けないかと電動歯ブラシを使ってみたが、重い、大きい、値段も高いと欠点ばかり目につく。ならば自分で作ってしまおうというのが試作のきっかけでした。
通常の電動歯ブラシは縦か横の往復運動または円運動を繰り返して、歯の表面をこする仕組み。ハピカの発想はこれとは別物。微小な振動で歯を叩くようにして歯垢を落とし、歯間もマッサージするもの。
定価580円と安価なため、家電メーカーの1万円以上の高い電動歯ブラシのヘッドを交換して使うという面倒なことをしなくても、家族1人1人全員に1台使うことができるのです。
歯医者の薦める小さめヘッドで毛のかたさは、使用時に最適な「やわらかめ」ナイロン(デュポン社)のタイネックスを使用しています。複雑な構造がないので故障も少ない。 「使い始めて3年経つが効果のほどは言わずもがな。歯グキは締まり、歯がしっかり根を張っている感じがする。
今やテレビを見ながらジージー。もちろん出かけるときもバッグに忍ばせ、外食後人気のない場所でジージーやる。歯ミガキ剤は使わず、口内は清潔そのもの、口臭とも無縁だ(サライ記者 松井光、サライ Vol.9 No.12)」
ハピカQ&A
Q.乾電池の交換は?
A・1日3分2回のご使用で、マンガン乾電池なら約2週間。アルカリ乾電池で約1ヶ月です。
Q.ブラシの交換は?
A.別売の専用交換ブラシ「ブリット」があります。
交換の目安は
①毛先が開いたとき
②毛が汚れたとき
③毎日2回以上使い、1ヶ月が過ぎたとき
Q.みがき方は?ハミガキ粉は?
A.①まずペンを持つように軽くにぎって下さい。
②次にブラシを歯と歯グキに軽く押し当て、小刻みにスライドして下さい。
毛先が歯周ポケットに入り、歯グキを効果的にマッサージします。
機械的に歯と歯グキをこすらないハピカはハミガキ粉を付けても大丈夫です。
Q.使用上の注意は?
A.力まかせにゴシゴシこすらないで下さい。
また日常生活防水を施してありますが、水洗いする際はキャップ部に水をかけないで下さい。落としたり、強い衝撃を与えることもお避け下さい。また入浴時にもお使いにならないで下さい。
-文責 西川栄郎-