昔ながらの手作りの味を守る函館・八島商店

1998年11月4週号


今から20数年前のこと、当時、関東で安全な食べもの運動を始めていた「たまごの会」の会員である大島智子さんの実家である八島商店(函館)で、大島さんの提案もあって着色料や防腐剤などを一切使用しない「無添加たらこ」作りが始まりました。
 八島商店とはその「たまごの会」の紹介でお付き合いが始まりました。八島商店では、「何も足さない、何も加えない、体によいものを安く」をモットーに、現在では無漂白の数の子、にしん、無添加のワカサギ佃煮も作られています。どの品物も消費者からの助言を参考にしながら作り上げた自慢の味です。

無添加たらこ
 市販のたらこでは、通常、防腐剤、酸化防止剤、着色料、発色剤、化学調味料などが使われております。大量に処理するシステムでは、薬品なしではまず製造は不可能です。
八島さんのところでは、旬に手作りで無添加たらこを作っています。道南近海産のすけそう鱈の子を赤穂の天塩だけを使用してたらこにしています。色も淡い紅色で、市販のたらことは見かけも味も全く違います。天然のままの色を活かし、舌ざわり、味の点でも「赤穂の天塩」の使用で、たらこ本来の滋味が活きています。
 本当の自然の味は、健康の原点であるだけでなく、どんな添加物もかなわないほどおいしいのだということを知って下さい。
八島商店では木箱に入った贈答用に出来るものや、それを小分けしたものと一部にB級品のたらこも扱っています。B級品いわゆるきずものとは、魚のお腹から取り出す時に、少し袋が破れたものや胆汁がついたもの(紫色に模様がつく)も扱っています。
 B級品とはいっても原料のよさや安全性、おいしさは全く変わらず家庭で食べるのにはお推めです。
 極めて上等なたらこですので、生で熱いごはんとともに、また酒の肴として食べていただくのがお推めです(バター、レモン、のりを工夫してもおいしい)。
保存:冷凍(家庭用では1~2ヵ月)、半解凍のときに小分けしてラップに入れ、更に密閉容器に入れて保存。解凍後約1日でふっくらしておいしい。冷蔵保存では2~3日でお召し上がり下さい。

無漂白塩数の子
 市販の数の子では、漂白剤、着色剤、酸化防止剤、防腐剤などが通常使われています。
八島商店では生にしん(冷凍)と粗塩(岩塩)だけで作っています。たらこ同様、全く自然な色、おいしい味は市販では、手に入れられるようなものではありません。もともと数の子はこういうものだったのかと改めて驚かれる方がいらっしゃるはずです。
 規格の大きさも、市販のものより1ランク大きい立派なものを安い価格で提供されています。
保存:常温(冷蔵)で3ヵ月

みがき鰊
数の子を作る時に出るにしんを干しただけのものです。乾燥は冷風乾燥(機械)で、素早く乾かします。原料はにしんだけです。市販のようにつや出し油などを使用せず、酸化防止剤、着色料など一切の薬品を使っていません。
 本干みがきにしんとさっと干した生みがきにしんがあります。

・食べ方:本干しみがきにしん・・・そのままむしって生みそをつけて食べる。
 生みがきにしん・・・焼き上がったら砂糖、醤油でからめて食べる。

無添加ワカサギ佃煮
水産加工品は食品添加物をめちゃくちゃに使っている業界です。
八島商店では、①大沼産のワカサギ(生)②きび砂糖③醤油 丸久醤油[十勝大豆(スズヒメ、シロメダイズ)、小麦(チホク、タクネ、ホクシン、ハルユタカ)、赤穂の天塩]④本みりん 高嶋酒造のハクビシ(モチ米、米こうじ、焼酎だけのみりん)を原料にワカサギ佃煮を作っています。
 活きのよいワカサギを生だきにしており、柔かく、また水あめを使っていないのでワカサギの量がたくさん入っています。あっさりとした甘み控えめのおいしさは病みつきになりそうです。季節限定商品です。

◆塩蔵生わかめ
北海道産生わかめは、鳴門のものとはまた一味違ったわかめです。一度食べてみて下さい。原料は生わかめと粗塩(岩塩)だけです。

-文責 西川栄郎-

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