ピロリ菌増殖を抑えるとして注目されているマヌカハニー

2003年4月4週号

 

 マヌカハニーは、ニュージーランド原産の「マヌカ」という木の花から採られたハチミツです。マヌカは精油でよく知られている「ティーツリー」の仲間の木です。マヌカハニーは、ニュージーランドでは古くから先住民マオリ族の間でも、抗菌効果が強く、創傷の治療などに広く使われてきました。別名「ヒーリングハニー」と呼ばれ、多くの人に愛用されています。
 ニュージーランド国立ワイトカ大学生物化学蜂蜜研究所所長のピーター・モラン教授らの研究チームの20年にも及ぶ研究によって、このマヌカハニーに優れた抗菌力や、様々な生理活性があることが明らかにされ、ニュージーランドの国をあげて研究に力を入れています。
 マヌカハニーのユニークな抗菌力の強さは、フェノール溶液の何%と同等かという抗菌力の基準、UMF(Unique Manuka Factor)によって指数0~20に表現され、最低でもUMF10以上の数値を出せるマヌカハニーのみがUMFアクティブマヌカハニー(活性マヌカハニー)と呼ばれています。UMF活性0-4:評価に値せず、4-10:特別な癒しの力なし、10-15:ワイトカ大学のグループが認める有効な癒し度合い、15以上:大変高い癒し度を持つ。マヌカハニーであれば、何でもUMF活性10以上の効果があるというわけでなく、高い活性のものは、土壌や天候の影響のためか、同国北島部のコロマンデル半島を中心とした一部の特定の地域の原生林に自生する白色の花弁か一重の花からしか採取されません。ピンクや赤系統で八重咲種の花からは、活性力のあるマヌカ蜂蜜は採取されません。そのためニュージーランドでも、サマーグローアピレーズ社など5社しか、UMFアクティブマヌカハニーを扱っておりません。
 同大学が、胃潰瘍の原因とされているヘリコバクター・ピロリ菌に対する優れた抑制効果があることを発見し、ニュージーランドを中心に、UMFマヌカハニーの人気が高まっています。日本でも最近テレビ番組で紹介され、注目されてきています。そのため、マヌカハニーがブームとなりつつあり、UMF活性の確認されないような蜂蜜や、混合希釈された蜂蜜などまがいものが押し寄せてきています。
 オルターへのご紹介者は、ワインでお世話になっているヘルシーメイトの山田和也さんです。日本で最初にマヌカハニーの輸入を始められたジャーナリストの門傳章弘氏扱いのサマーグローアピレーズ社のUMF活性16と表示(実際は18.5以上)のUMFアクティブマヌカハニーです。取材で海外によく出かけていた門傳さんは、5~6年前、ブームの前にラジオでニュージーランドのマヌカハニーの噂を聞きつけた、胃ガンになった友人に頼まれて、マヌカハニーを探してあげ、それによって友人の病後経過がすこぶるよかったのを見て驚いたのが、
マヌカハニーを取扱い始めたきっかけだったのです。

UMFアクティブマヌカハニー16
サマーグローアピレーズ社( Summerglow Apiraise )の
UMFアクティブマヌカハニー16

 実際のUMF活性は18.5以上。国立ワイトカ大学での各種臨床実験に使用されたものです。特定のマヌカツリーの原木群より採取。蜂は、ニュージーランドで唯一使われているイタリア原産のセイヨウミツバチです。蜜蜂の巣箱には抗生物質など抗菌剤の使用はありません。巣箱から遠心分離機で取り出した蜜は、ドラム缶で保存されます。採取は12月~1月で、年1度採りです。蜂のエサとして夏には何も与えません。冬の間は、砂糖と蜂蜜を与えます。ただし採取時期には砂糖水は完全に止めます。この砂糖水に食品添加物の添加はありません。
 ビン詰めに至る全工程は、蜂蜜の成分が壊れないよう低温(5~8℃)で処理、保存されます。製品糖度は81.6度です。
 ニュージーランドでは、蜂蜜は厳しい基準で製造を行っています。養蜂からパッキング、出荷まで、全ての工程であらゆる農薬、熱、化学薬品の使用を国として禁じています。

ピーター・モラン博士の研究結果
ワイトカ大学生物化学研究所 
ピーター・モラン博士の研究結果では
以下のようなことが分かっています・・・・・
・各種の皮膚疾患
 アトピー性皮膚炎を始めアレルギー性皮膚炎などの細菌による二次感染、
 潰瘍、吹き出物やニキビ、水虫などによる化膿、火傷の細菌感染防止など
・扁桃腺炎、風邪予防、口内の殺菌
 歯周病、歯槽膿漏、虫歯、口臭予防など
・院内感染予防
 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症など
・食中毒
 O-157など、その他の病原菌による感染
・免疫力低下による感染症予防
 手術後やお年寄り、病気しがちな方、また激しいスポーツをする方に。
・偏食気味のお子さまの感染症予防
・虫歯の原因菌ミュータンス菌にも顕著な効果が報告されています
 就寝前に口内、歯茎に擦り込むようにします。
 口内が殺菌されるので、その後のブラッシングは不要です。

オーストラリアのブリズベンの総合病院の医療スタッフは
次の報告をしています・・・
・創傷の膏薬として治癒率が高まった。

また、元東京警察病院内科 本間請子医師が指摘しているところでは・・・
・ピロリ菌に対する効果について試験を行ったところ、
 胃の不快な症状が取れた患者が多かった。
・風邪の初期症状にもよく、口内炎にも有効
だそうです。

UMFアクティブマヌカハニーの使い方
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの場合など、消化器に疾患のある方は、
 食事1時間前くらいの空腹時にティースプーン1~2杯を1日に4~5回以上。 直後、30分以内は
 水分を取らないようにする。
・風邪…マヌカハチミツ紅茶で
・床ずれ…傷口に塗る
 一般と同様、紅茶やパンなどに塗ってもいいですが、もったいない使い方です。
 糖尿病の方は、医師とご相談下さい。

UMFアクティブマヌカハニー
市販のマヌカハニーの問題点
 マヌカハニーは、特定の地域以外の採取では優れた活性は認められません。しかし、マヌカハニーがブームになるにつれて、UMF10以上の活性の認められないものも、多く売られ始めています。また、他の蜂蜜と混合されているケースもあるようです。UMFの認定は、ワイトカ大学生物化学研究所の試験法が託された、ニュージーランド環境保健研究所が毎年分析して行っています。

(文責:西川栄郎)

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