井村さんの有機小麦粉と有機麦茶 金沢農業(6)
2003年6月3週号
連続でご紹介している金沢農業の井村辰二郎さんのシリーズ(6)は、有機小麦粉と有機麦茶です。
小麦、および大麦とも栽培方法は,別項目で紹介した大豆の作り方と、基本的に同じ有機栽培です。
その小麦は小麦粉に、大麦は麦茶にして、金沢大地で取扱っています。
小麦は、流通上逆ザヤ価格があって、国産小麦は育ちにくい価格環境があります。井村さんは、栽培の規模や経営の工夫をして、何とか輸入小麦粉価格と太刀打ちができるよう努力しています。あとは消費者側の理解、応援が必要です。
金沢大地の国産有機「田舎の小麦粉」
品種
薄力用(天ぷら、お好み焼用)…シロガネコムギ
準強力用(パン用)…ナンブコムギ
うどんの生産者、金子製麺へは農林61号を届けています。
栽培方法
栽培方法は有機大豆と同じです(カタログ2003年5月第3週参照)。
播種については、ラジコンヘリを使った種子の空中散布をして、大豆(フクユタカ)収穫前の立毛間播種および不耕起栽培を行っています。
製粉 東日本産業…委託加工しています。
製粉工程
①精選
②調質…外皮から胚乳部を離れやすくするため、小麦に少量の水を加える。
③挽砕…小麦を鋼鉄のロールで破砕する。
④篩い分け…粉砕された外皮と胚乳部とを篩い分ける。
⑤純化…粉砕された胚乳部を振動篩と空気で篩い分ける。
⑥挽砕…胚乳部をロールでさらに細かくする。
⑦再篩…小麦粉に異物混入防止のため、100メッシュで再度篩い分ける。
⑧包装…25kg紙袋に詰める。
⑨金属探知機
小袋詰め工程
①原料搬入…小分け工場に搬入。
②ホッパーに原料小麦粉投入。
③シフター…異物混入防止のため、再度篩にかける。
④自動給袋機…小袋に小麦粉を詰める。
⑤量目確認
⑥シール
⑦金属探知機
市販の小麦粉の問題点
国内で流通している小麦粉は、ほとんどがポストハーベスト農薬の汚染のある外国産です。国産と表示があるものでも、輸入小麦の混入や混合があることがあります。オーガニックと謳っている小麦粉からも、農薬が市販品より多量に検出されたこともあります(日本子孫基金発表)。
最近はまず行われていないと思いますが、かつては化学薬品を使って、漂白をしていたことすらあります。
金沢大地の麦茶
品種 六条大麦(ミノリムギ)
栽培方法
前述した大豆と基本的に同じ。播種については、ラジコンヘリを使った種の空中散布をして、大豆(エンレイ)の収穫前の立毛間播種および不耕起栽培を行っています。
麦茶加工 委託加工:
袋入り 竹内茶園・・・・・関連ページご参照ください。
ティーバッグ 田中竜之介商店・・関連ページご参照ください。
(文責:西川栄郎)