オルター仕様のカレールー

2003年10月4週号

 

 一般市販のカレールーはもとより、いわゆる自然食のカレールーに関しても、オルターとして安全で安心と評価できるものは現在、日本国内において知りえていません。配合される原料一つ一つの品質はもちろん、形状、容器などの面においてです。そのため、安全な原料でおいしいカレールーを開発することは、オルターとして何年もの間の念願となっていました。その夢が、オルターの牛肉などの生産者である興農ファームの提携先にご紹介いただいたコスモ食品との協力で、やっと実現にこぎつけました。
 今回お届けできる製品は、ある程度の量で作った試作第1号で、仮ラベルのものです。配布時にはアンケートをつけて、会員の皆様の評価をお聞きし、改良すべき点は改良し、最終製品にしていく予定です。試作品といっても、もちろんプロ中のプロの知恵と工夫が結晶している自信作です。オルターの安全な原料を使ったもので、一流コックがじっくりと作り上げるレベル以上のカレーです。
 コスモ食品の木村博州社長は、某有名食品会社の創業メンバーのお一人です。カレーメーカーとして急成長している会社で、大手メーカーを恐れさせている会社です。今回、オルターのカレールーの味設計の陣頭指揮は、同食品会社からコスモ食品に移られた凄腕の技術スタッフ、伊藤信雄生産部長です。約30年の味創りの経験と抜群のセンスの持ち主です。
 コスモ食品のコンセプトは、「世の中にないもの、よそでは作れないものを目指す、原料にこだわり、手間ひまをかけることを惜しまないでおいしいものを作ること、コスト優先、生産優先はしない」というもので、オルターのようなこだわりの原料で最高のカレーを作って欲しいということにぴったりのチャレンジ精神を持っていらっしゃったのです。そして、オルターからの原料、製造工程、容器などに関するずいぶんと難しい注文を鮮やかにクリアしていただきました。実際に製造していただいたのは、コスモ食品の製造部門である、子会社の「イワキフーズ」です。

左からコスモ食品 伊藤信雄生産部長、イワキフーズ 網野吉輝製造係長、赤石清春工場長
コスモ食品(イワキフーズ)の直火焼カレールー オルターオリジナル仕様
原料は全てオルター提供です。安全な原料というだけではなく、うまみの多い原料の比率を高めています。市販品では安い原料である小麦粉や油脂の配合比率が高いのです。原料や容器の安全性を考えて、ビン入りのカレールーです。
イギリスがルーツの、日本人好みの
トロッとしたカレールーです。原料が良いので、仕上がりも素晴らしいとのことです。カロリーの強い直火で、手間ひまを惜しまずじっくりと煮込み、素材の味を最大限に引き出した、濃厚なカレールーです。同時に、スパイスの香りを逃さないで仕上げて、最高の風味を出しています。お好みの辛味の調整には、ネパリカレーのチリを加減されるのも良いでしょう。

オルター仕様カレールー (第1回試作有料サンプル)
こだわりの原料
小麦粉…………国産小麦(チホク小麦)
菜種油…………影山製油、国産菜種圧搾一番搾り(*カタログ1999年10月第1週参照)
塩………………赤穂の天塩(*カタログ2000年4月第4週参照)
砂糖……………種子島甘蔗分蜜糖(*カタログ2000年4月第1週参照)
トマト…………生トマト。オルターの生産者、今回は九州有機の里。
ビーフエキス…司食品。オルター仕様ビーフブイヨン。
       原料:興農ファームの牛骨(*カタログ2001年11月第4週、2003年11月第1週参照)
玉ねぎ…………生玉ねぎ。オルター生産者、今回は谷農園。
にんにく………生にんにく。オルター生産者、今回は水の子会。
りんご…………オーミフローズンのアップルフローズン
       (*カタログ2000年2月第3週参照)
料理酒…………こんにちは!!料理酒(*カタログ2002年7月第3週参照)
香辛料…………コリアンダー、クミン、ガラムマサラ、ガーリック、ジンジャー、
       ターメリック、チリ。
       いずれもネパリバザーロ(カタログ2001年11月第3週参照)

 * カタログ記事は、ホームページに順次掲載します。
   既掲載文は検索してみてください。

製造工程
直火型のガスの煮釜を使用して、カレールーを焼き上げています。
①菜種油と小麦粉を入れ、まず混合します。
②油の香り付けにジューサーにかけたにんにくと玉ねぎを混合します。
③上記のものを直火でじっくり丁寧に加熱します。
  一般市販品の場合、焙煎小麦粉を原料に使っていますが、この工程を手抜きす
 るためです。焙煎粉だと 風味が逃げてしまっています。また、野菜も生を使わ ず、早く仕上げるために粗悪な粉末のものを使い、蒸気釜のバルブ調整でただ
 混ぜるだけで、大量生産を行っているのです。
  今回のカレールーでは、生の小麦粉からじっくり加熱していきますので、小麦
 粉の風味をそのままルーに封じ込めることができます。
④上記のブレンドが出来上がったら火を止め、トマト、ビーフブイヨン、アップル
 フローズン、こんにちは!!料理酒を加え、混合し、よくなじませてから、火を再び 入れる。
⑤上記までのブレンドができたら火を止めて、塩、砂糖、香辛料を入れて、混合して 完成。
⑥ビン詰め、秤量。

今回は工場総出でビン詰していただきました
一般市販品のカレールーの問題点
まず原料に問題があります。
市販品では、安い原料、小麦粉と油脂の比率が高くなっています。その小麦粉にはポストハーベスト農薬、その牛脂や豚脂、鶏脂にはポストハーベスト農薬、動物医薬品、食品添加物、狂牛病の恐れなどがあります。また、大豆油、コーン油、米油、パーム油、ヤシ油など植物油の場合はポストハーベスト農薬やn‐ヘキサン抽出によるトランス脂肪の問題があります。野菜、果物は農薬の問題、牛乳、粉乳、バター、生クリーム、チーズ、ヨーグルトなど乳加工品や鶏卵は、動物脂肪と同じ問題、アミノ酸類、蛋白加水分解物は脳障害の問題、ブイヨンやチキンエキスなどエキス類は、市販の畜産物と同様の問題や、キャリーオーバーの食品添加物などがあります。醤油、砂糖、塩、味噌、酢など調味料類も、原料のポストハーベスト農薬など問題のあるものを使っています。コーンスターチ、デキストリン、ゼラチン、水アメなどにはポストハーベスト農薬などの問題、その他ステビア(変異原性)、卵殻カルシウム(蛋白質と反応して発ガン性)、カラメル、はちみつ、ブドウ糖、乳糖、酵母エキス、酸味料、香料、乳化剤などいずれも問題のある原料です。このようなまずい原料ばかりを集めて、良質なものができるわけがありません。

製造工程でも問題があります。
 いかに手間を省き、安いコストで作るかということで、蒸気釜を使って短時間にただ混ぜて仕上げるため、焙煎小麦粉(風味低下)、粉末野菜(風味低下や酸化)、粉末ソース、粉末醤油まで使われています。

製品の形状については、プラスチックに熱いうちに充填するタイプのルーは、キャリーオーバーのプラスチック成分などによる環境ホルモンなどの問題、フレーク状を粉末化したタイプのものは、融点の関係で使われる牛脂に上述したような問題、レトルトタイプのものは、容器フィルム自体のプラスチック成分や特殊なのりの成分による環境ホルモンやプラスチック臭などの問題があります。

(文責:西川栄郎)

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