挽きたての風味と香りが楽しめる電動石臼製粉機
2008年2月4週号
酸化していない新鮮な粉が、手軽に、安全・安心に、安価に。
小麦、玄米、雑穀… いろいろ楽しめます。
●井村さん自ら栽培した穀物と石臼を、合わせて企画
オルターへお米、豆腐用の有機大豆などを供給していただいている金沢大地の井村辰二郎さん(カタログ2007年10月4週号でご紹介)が、ドイツ・コモ社製の電動石臼製粉機の代理店契約をされました。
井村さんはこれまで自園で栽培した有機小麦、有機大麦、玄米などを製粉会社に持ち込んで製粉してもらってきましたが、なかなか満足できないところがありました。しかし、この製粉機を使うと、挽きたての風味と香りのあるたいへんおいしい製粉ができるので、粉にする原料の供給とこの石臼を合わせて企画提案なさったのです。
●挽きたての、酸化していない粉がほしい
米、小麦、大豆など植物の種は、将来芽を出して成長していくために、不飽和脂肪酸など抗酸化活性力の高い成分を多く含んでいます。精白したり製粉したりして殻のガードに傷をつけると、これらの成分が酸化して、まずくなったり有害なものに変化します。栄養豊富な種ものは、だからこそ酸化させないことが大切です。
米の場合は精白するとわずか2日程度でぬか成分が酸化します。ですから家庭用精米機でつきたてのお米を食べた方がよいのです。市販されている胚芽米は、そういう意味でおすすめできません。
小麦の場合、ヨーロッパのように小麦食の伝統がある国々では、やはり製粉は家庭や地場の小規模な製粉所で行ない、酸化させていない全粒粉でパンを焼いています。しかし日本国内では、オルターのレベルの管理水準のないところの全粒粉パンは、酸化の問題があって危険だということになります。日本国内では小さくても30トン単位以上の製粉所で製粉されていて、とても挽きたての全粒粉など手に入らないからです。
上記のような理由から、オルターとしてもこれまでも家庭用の小型の製粉機がないかと探していました。
●安全な原料を家庭で挽けば、安心で経済的
ドイツ・コモ社の電動石臼は、石臼部分がセラミックで、製粉時に金属製のような高熱を出さないため、たいへん風味のよい製粉ができます。たいへん香りのよい全粒小麦粉ができますので、パンやクッキーを作ると感激の味になります。
井村さんの麦茶を挽くと香ばしいはったい粉ができます。玄米を粉にして団子なども楽しめます。そばは「挽きたて、打ちたて、ゆでたて」が命ですが、そんな手打ちそばにもチャレンジできそうです。アワ、ヒエ、キビ、ハトムギ、炒り大豆などいろんな穀物の粉も、たいへんお安く簡単手軽に家庭で作ることができます。
自分の目が届くので、安全な材料で安心して製粉ができます。雑穀ライフ、パン、お菓子作りにおすすめです。
ドイツ・コモ社の電動石臼製粉機「キッチン・ミル」
パン作りの伝統のある本場ヨーロッパで人気のあるドイツ製の家庭用電動石臼製粉機です。大きさは市販の製パン機より小さく、コンパクト。スイッチを入れて上から投入するだけで、20分間に約2,000gの玄麦(粒の小麦)を挽くことができます。
石臼部材質:セラミック・コランダム
木部材質:ブナ材
グレイン投入部容量:850g
製粉能力:100g/分
高さ/幅/奥行き:32cm/15cm/15cm
重量:6.2kg
使用電力:260W
保証期間:3年
●使用する穀物は十分に乾燥したもののみご使用ください。キッチン・ミルで挽くおすすめの穀物は、小麦、そば、玄米(もち米もOK)、乾燥したトウモロコシ、キビ、アワ、ヒエ、ハトムギ、ライムギ、炒った大豆(きな粉になります)です。
●禁止穀物は、水分の多い穀物、脂分の多い穀物(例:生の大豆、ピーナッツ、ゴマ、コーヒー豆)です。
●家庭用ですので、業務用などに連続使用はできません。連続で2kgくらい、それ以上は5分ほど休ませてご使用ください。
●挽く原料は常温にしてご使用ください。結露はトラブルの原因になります。
●フスマ(小麦の外皮の部分)をふるって取り除きたいときは、料理用の篩(ふるい)を使用してください。篩の網の目の大きさはお好みでお選びください。
市販の製粉の問題点
小麦、大麦、雑穀などほとんどの原料が輸入もので、ポストハーベスト農薬の問題があります。国産といっても、同じラインでミックス粉などさまざまな製品を混ぜていたりするので、コンタミや混入の問題の心配があります。例えば市販の全粒粉は、一度分かれた小麦粉、末粉、フスマなどを再びブレンドしているケースが多いです。また小麦粉には製粉時、水分調整という加水が行なわれていますので、水で増量されているということになります。
大量生産の製粉所では一般に金属製の臼を使っています。摩擦熱で高温になりますので、風味低下が免れません。流通上でも時間がかかるため酸化も免れません。酸化の問題は、身体によいと信じている全粒粉の胚芽部分のほうがむしろ大きく影響を受け、有害な成分になりますので要注意です。
―文責 西川栄郎(オルター代表)―