暫定品お菓子、格付けの評価を明示して導入します。
2008年3月2週号
小さい子が欲しがる袋菓子などを選びました。
やむを得ずお子さんに購入する場合は、オルターの評価を参考にしてご利用ください。
●かつてお菓子の暫定扱いを認めていました
1998年1月10日にノバティ南館大ホールにおいて、オルターが会員に公開して開催した商品検討会で、お菓子の企画についてはある程度暫定品を認めることはやむを得ないという判断を決定していました。
その理由は「お菓子の原料は複雑なものが多く、開発に時間がかかる」「時間がかかる割には、飽きられるのが早い」「オルター単独の開発をするにはロットが大きく、現実的に難しいことが多い」など、オルター仕様のオリジナルの開発が難しいということです。
したがって、オルター仕様のものが開発できるまでの間の暫定措置として、いわゆる自然食品店レベルのそこそこのお菓子の企画を認めるというものでした。
●カタログから暫定品を排除してきた経緯
しかし、その後オルターとしてはカラーカタログになって、カタログ巻頭において「原料段階・飼料段階からポストハーベスト農薬、遺伝子組み換え、チェルノブイリ放射能汚染、トランス脂肪酸、食品添加物、レトルト食品などを追放し、『国産』『無農薬』にこだわっています」というこだわり表示を明確に始めるに伴い、例えば自然食業界のアトピー対応お菓子についても、原料などの品質がよくないという理由で次々とカタログ掲載をやめ、その程度のお菓子はほとんど排除してきた経緯があります。
一方、オルターオリジナル仕様のお菓子の開発ペースの方は、必ずしもスピードアップできていません。
こうした現状に対して、小さいお子さんを持つ会員から、「オルターでのお菓子の種類が限られていて、特に小さい子の欲しがる小分けした袋菓子などがなく、今のままでは自然食品店やスーパーのお菓子に頼らざるを得ないのが現実で、それらの品質は不安だし、むしろオルターでの暫定扱いを復活してほしい」という声が寄せられてきました。
●暫定品お菓子を別チラシで企画します
そこでオルターとしてはこのたび、このような小さいお子さんを持つ、おやつ選びに困っている会員の現状を考慮すれば、暫定品の復活もやむを得ない、と判断しました。
しかし、カタログ本誌に戻すのは避けたいし、暫定品といえどもまだましなものをより厳格に選びたいと思います。そこで、暫定品お菓子は明確に区別した別チラシという形で行なうこと、そしてそれらの個々の原材料に○△▲×の表示で評価を加えた上で、かつそのアイテムの総合評価を明示して取り扱いたいと考えました。
●自然食業界のお菓子の実情
もともと自然食業界のお菓子は、通常のオルター仕様の水準からみて、とても容認しがたいレベルの原料が多く使われています。例えば、生産者の顔の見える無農薬の国産材料ではなく、顔のわからない慣行栽培レベルで、ただの国産のものであったり、場合によっては中国産などさらに不安な原材料がごく普通に使われています。食品添加物が使われるのも一般的です。
そういう意味では、はたしてオルターとして取り扱えるのかという疑問のあるものが少なくありません。
●格付評価を公表して取扱います
そんな中でも、子どもたちが欲しがるアイテムで、オルターとして良いものをオリジナルに開発できていないものについては、暫定品と明示して企画することといたします。
アイテム別の総合評価としては、
○……原料に多少の問題はあるがギリギリ認める
△……認めるには問題がある
▲……認めるには問題が多い
×……やめた方がよいが市販品よりはまし
という評価をしています。
原料に対しては、
△……問題がある
×……排除すべきレベルのもの
という評価としました。無印だから○ということでは必ずしもありません。
これら暫定品の中には原料、製造工程からみてオルター仕様水準合格(◎)というものはありません。あればカタログ本誌への掲載となるからです。
例えば、かつてカタログ本誌に掲載されていた岩野製菓のアメのように、この暫定品基準では△×が全くついていないアイテムもあります。しかし、ごくわずか使用されている製造工程中の滑剤(トランス脂肪酸)の問題がクリアできていないという理由で暫定品扱いとなっています。
一般自然食品店レベルのお菓子は、そのような製造工程中の容器の材質や機械に使用される油脂類などを問題にするほどの高いレベルには、なかなか達していません。
以上のようなオルターの評価を参考にしていただいて、やむを得ずお菓子をお子さんに購入される場合は、情報公開度のより高いオルターの暫定品お菓子をご利用いただくようおすすめします。
―文責 西川栄郎(オルター代表)―