讃岐うどんの伝統技術を活かした国産小麦うどん

北海道産小麦粉を原料に、讃岐うどんの伝統技術を活かしたたいへんおいしい乾麺です。


 北海道十勝支庁の西部、上川郡新得町の瀬戸内商事では、北海道産の小麦粉と塩だけを使い、素朴ですがたいへんおいしい乾うどんを製造しています。瀬戸内商事とは、上士幌土の会の乾そば(カタログ2006年12月第4週でご紹介)の委託加工で出会って以来、28年のお付き合いです。
 瀬戸内商事の浦山寿さんは、若い頃、讃岐うどんの本場・香川県でうどん作りのノウハウを身に付けました。37才の時に、北海道新得町に建設されたそば工場から「工場長として来てくれませんか」とオファーがあり、北海道が優れた小麦の産地であることに興味もあって、住み慣れた香川県から北海道へ渡ってきました。そのそば工場が軌道にのった1978年に、独立して瀬戸内商事を設立。讃岐うどんの伝統技術を活かし、うどんに適した北海道産小麦でうどん作りを始めました。私たちが上士幌土の会のそばの委託加工をお願いしたのは、まさにその頃のことでした。
 現在は、浦山寿さんの娘婿の浦山兼一さんが経営を任されています。兼一さんは、寿さんが体調を崩されたとき、それまでのサラリーマン生活をやめて浦山家の家業を手伝うことにしたのでした。お義父さんの志を継いで、北海道の食材を活かした安全な製品作りをモットーにうどん作りを続けています。

瀬戸内商事の豊穣十勝うどん
●原料
北海道産小麦…木田製粉(株)で製粉しています。瀬戸内商事では、それら北海道産小麦粉をうどんに合うよう最適にブレンドしています。年ごとに品種が入れ替わっていきます。現在は「ホクシン」「きたのかおり」です。/食塩…赤穂の天塩
●製造工程
製麺は(株)小田壱で行っています。その製麺技術を浦山寿さんが指導しています。
①小麦粉・粉ミキサー②小麦粉・ふるい③食塩と混練④熟成⑤複合⑥圧延⑦切り出し⑧乾燥⑨裁断⑩計量⑪包装⑫金属探知
●特徴
こしが強く、のどごしのよいうどんです。なめらかな舌ざわり、シコシコとした歯ごたえ。焼うどん、煮込みうどんに最適です。

パン用北海道産小麦粉ハルエゾ(強力粉)
●原料/北海道産小麦…木田製粉(株)で製粉し、瀬戸内商事で小分け袋詰めをしています。年ごとに品種が入れ替わっていきます。現在は「春よ恋」「ホクシン」「ホロシリ」を使用しています。
●特徴/吸水性は輸入小麦に比べて若干劣りますが、伸縮性に優れ、しっかりとした硬さのある食感となります。風味も豊かです。

市販のうどんの問題点
 うどん好きな人が毎日うどんを食べていたら農薬中毒になったという話がありますが、それほどうどんの原料の小麦粉には農薬が含まれているということです。輸入小麦粉にはレルダン(クロルピリホスメチル)やリン化アルミニウムなど、ポストハーベスト農薬が使われています。
 うどん製造時には保存性を高めるためにpH調整剤(リン酸ナトリウムなど数種類の食品添加物)、あるいは酸味料(酢酸ナトリウム)、エタノール(酒精)、プロピレングリコールが使われています。
 プロピレングリコールは、麺に使うとしっとり感やコシが増すので品質改良剤としても使われ、一見手打ちうどん風に化けさせる役割も果たしています。おいしいと評判の有名うどん店でも使っているところがありますので要注意です。以前輸入ワインに許可されていないジエチレングリコールが使われていて「毒入りワイン」と問題になったことがあります。プロピレングリコールは許可されている食品添加物ではありますが、そのジエチレングリコールよりもさらに毒性が強いと考えられます。
 インスタントうどんの場合、このプロピレングリコールを使うとだしのしみ込みが悪くなるので、だしにキサンタンガムのような増粘多糖類を使っています。要するに糊入りのだしをうどんにからめるという発想です。プロピレングリコールには苦味があり、それを隠すために甘味料としてソルビットが一般的に使われています。
 こうしてうどんにも、本来不必要で有害な化学薬品が使われています。

ー文責 西川栄郎(オルター代表)ー

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