オルターオリジナル仕様「放牧豚まん」
2007年10月3週号
皮と具はもちろん調味料まで安全な素材にとことんこだわりました。
蒸し器でふっくら、蒸してどうぞ。
●さらにおいしくリニューアルしました
「放牧豚まん」は、具と皮の原料すべてにオルターのこだわりを実現しています。具の豚肉は興農ファームの放牧豚を使い、野菜はオルターの生産者の無農薬のもの、調味料は(株)かめびしの濃口醤油などを使っています。皮は国産小麦粉と生イーストで作りました。
おいしい豚まんを作りあげるため、十数回の試作を繰り返し、2005年12月に第一回の製品が完成しました。しかし製造後、いくつかの改良点が見つかりました。
例えば「しょうがの味が強く出ていた」「使用した豚肉の品質が上等すぎて豚肉のジューシーさが出ていなかった」「たれつけタイプの設計だったため、そのまま食べると物足りなさがあった」「皮の小麦粉の品質が、本番の大ロットの製造に難しかった」などでした。
そこで2006年12月にリニューアルを試み、その改訂仕様をもとに今年2007年、正式にリニューアルを実施しました。素材のよさを活かし切ったおいしい豚まんをぜひお楽しみください。
●オルターのこだわりをネージュが実現
私も含めて大阪人の好物のひとつが豚まんです。しかし、ちまたの豚まんの売れ行きが最近は低迷しているらしいのです。その理由は食べるたびにがっかりさせられる豚まんだらけになってしまったからかもしれません。豚肉が臭かったり、皮にまったく味がなかったりします。
昔は冬になると街角で、豚まんをスチーマーで蒸かして売っていました。それらは手作りで、そこそこまともな原料で作られていたからおいしかったのでしょう。オルターでそんな昔懐かしい豚まんを復活できないかと考えていました。
そこで、アイスクリームやアイスキャンデーでおなじみの(株)ネージュで、オルターオリジナル仕様の安全・安心な豚まんを作っていただくことにしました。ネージュでは高度な冷凍技術で、夏はアイス、冬は豚まんを作っておられます。どちらも季節品なので、それらを組み合わせた生産をなさっているのです。
オルターのアイスキャンデーの製造を始めていただいてすぐに、豚まんもお願いしたのですが、オルターのこだわりで製造するのは工夫が必要だったので時間がかかりました。
オルターオリジナル仕様 ネージュの放牧豚まん
原料【具】
●豚肉…興農ファーム放牧豚。ポストハーベスト農薬や遺伝子組み換えの心配のある輸入穀物を使用せずに可能な限り国産のエサやPHFコーンを与えています。(カタログ1999年11月4週参照)
●玉葱、生姜、にんにく…オルター生産者農家の原則として無農薬栽培のもの。豚まんを製造する時期によって最適の生産者を選びます。今回の製造原料について、玉葱…くまもと有機の会(☆☆☆または★★★・カタログ1999年4月5週参照)・生姜…フードネット(☆☆☆) ・にんにく…水の子会(☆☆☆)のものを使用します。
●たけのこ…徳島県阿南産たけのこ。豚まんに適したおいしい「元」部分を使用。クエン酸などのpH調整剤など薬品を一切使わず、水煮しただけのもの。
●乾燥椎茸…国産原木椎茸。薬品不使用。井上椎茸園(カタログ2000年6月6週参照)。
●醤油…(株)かめびし濃口醤油。本醸造。 国産大豆、国産小麦、天日干し原塩、にがり、むしろ麹製法。(カタログ1998年10月1週参照)
●砂糖…種子島甘蔗分蜜糖。
(カタログ2000年4月1週参照)
●塩…赤穂の天塩。
(カタログ2000年4月4週参照)
●澱粉…神野つぶつぶでんぷん
(カタログ2000年3月3週参照)
●純米料理酒…大木代吉本店の蔵の素。
●オイスターソース…光食品
(カタログ2000年4月5週参照)
●ブラックペッパー…ネパリバザーロ(フェアトレード)(カタログ2001年11月3週参照)旨味増量剤などを混合していない、ホールペッパーを粉末にしたもの。
原料【皮】
●小麦粉…吉原製粉の北海道産小麦粉。
(品種:ホクシン)。
●ビート糖…北海道産。
((株)日本甜菜糖業)。
●食塩不使用バター…よつ葉乳業。
(カタログ2000年8月3週参照)
●生イースト…(株)日本甜菜糖業。
●塩…赤穂の天塩。
●重曹…旭化成。純品、無添加。
製造方法
①具を混合して調理・味付け②包あん機で具を皮で包む③皮を発酵しふくらませる④蒸し器で蒸す⑤冷却して包装⑥冷凍
市販の肉まん(豚まん)の問題点
下記はコンビニで売られている肉まんの原料表示の一例です。
◆原材料名
具:たけのこ、葱、豚肉、大豆蛋白、豚脂、玉葱、砂糖、醤油、ポークエキス、生姜、発酵調味料、椎茸、植物油脂、香辛料、食塩、オイスターエキス、マルテトール
皮:小麦粉、砂糖、ショートニング、イースト、脱脂粉乳、食塩、調味料(アミノ酸など)、安定剤(カゼインNa、アルギン酸エステル、アルギン酸Na)、カラメル色素、ベーキングパウダー
まるで食べものでなく、何か化学製品のようです。
なぜこんなことになるかというと、コスト優先で粗悪な原料を使うため、それをごまかすため次から次へと手を施さなければいけないからです。
豚肉はできるだけ少ししか使いません。それをごまかすために豚脂で増量してそれらしくみせています。大豆たん白も肉らしくみせる増量剤です。豚肉、豚脂にはエサのポストハーベスト農薬、飼料添加物や動物医薬品の問題が、大豆にはポストハーベスト農薬や脱脂するときに使われるn-ヘキサンなどの問題があります。
野菜は当然農薬使用の慣行栽培です。野菜を炒めるには植物油脂(トランス脂肪酸)が使われます。しいたけは菌床栽培で農薬、化学肥料が使われています。醤油、ウスターソースなどの調味料は、ポストハーベスト農薬のある輸入大豆、輸入小麦、食品添加物などが原料に使われています。
肉エキス、酵母エキス、野菜エキスは、味をごまかすものですが、乳製品、鶏肉、りんご、ゼラチン由来などの粗悪な原料自体の問題やキャリーオーバーの食品添加物が問題です。
アミノ酸系調味料とは脳障害を起こすグルタミン酸ソーダのことです。発がん性が問題になっているカラメル色素が着色に使われています。でんぷん(輸入原料)、パン粉(輸入小麦)は具から液汁(ドリップ)が出ないよう吸着するために入れられるものです。コンビニでは肉まんの見た目を美しくするために使っています。本当なら肉汁のにじんでくるようなジューシーな肉まんの方がおいしいのに、わざわざまずくしているのです。
皮は輸入小麦粉(ポストハーベスト農薬)にショートニング(トランス脂肪酸)、ベーキングパウダー(食品添加物が何十種類入り)で作られます。安定剤としてカゼインNa、アルギン酸エステル、アルギン酸Naが使われるのは、冷凍したあとふんわりとボリュームが戻るように乳化剤として使われています。
かくして、形こそは肉まんですが、到底おいしいとはいえない代物が出来上がっています。
―文責 西川栄郎(オルター代表)―