養豚から加工まで安全にこだわったハム・ソーセージ
2006年3月2週号
安全なエサと飼い方で育てた豚。
その豚肉を使って手造り、無添加でおいしいハム、ソーセージを作っています。
前号でご紹介したエサと飼い方の良いTONTONの豚肉(PHF、NON-GMOのとうもろこし、大豆、大麦などの自家配合、抗生物質やホルモン剤など一切無投薬、踏み込み式豚舎)を使って、TONTONの大浦秀樹さんは塩と天然香辛料だけでヨーロッパの伝統的なおいしい無添加ハム、ソーセージを手造りしています。
ウインナーやソーセージは肉に含まれる水分と脂をうまく結着させて、歯ごたえのあるものを作ります。しかし水と脂は結着しにくいものです。乳化安定剤、酸化防止剤、PH調整剤、結着財などを使用すればどんな脂身の多い肉も結着しますが、TONTONでは乳化剤の代わりにカッティング技術、酸化防止剤やPH調整剤の代わりに新鮮な肉、結着剤の代わりに豚のある部分の肉、そしてなんといっても素早い製造で、手間ひまを惜しまず作っています。薫煙はもちろん薫液(薬品だらけ)を使わず、桜の木を使っています。
大浦さんはソーセージを作りかけた頃、よく失敗して泣く泣く捨てられたとのこと。そんな苦労を越えて、たいへん素晴らしい本格的なドイツ風のハム、ソーセージ、ウインナーが作られています。
市販では増量しているので豚肉よりもg当たり安いハム、ソーセージが売られていますが、TONTONのような「ほんまもん」をまだ食べたことがない方はぜひ、その絶品の味を一度お試し下さい。
TONTONのハム、ソーセージ、ウインナー
●原料
豚肉…TONTONの自社生産。PHF、NON-GMOのエサ、踏み込み豚舎。
エサと飼い方の詳しい情報は前号参照。
ピックル液…黒砂糖(奄美の黒砂糖)、塩(シママース)、黒コショウ(マレーシア産)コリアンダー(カナダ産)、シナモン(中国産),ローリエ(=ベイリーフ。自家製とネパリバザーロ(カタログ2001年11月3週号参照))
調味料・香辛料…黒砂糖(同上)、塩(同上)オールスパイス(メキシコ産・ジャマイカ産),ナツメグ(インドネシア産), 白コショウ(インドネシア産・マレーシア産)、黒コショウ(同上)、コリアンダー(同上),オニオン(中国)、メース(インドネシア産)、一味(中国産)、パプリカ(チリ産)、マスタード(カナダ産),ニラ(自家製。JAS有機農産物)、カレー粉(ネパリバザーロ)
羊腸…オーストラリア産塩漬け羊腸
豚腸…アメリカ産塩漬け豚腸
●ハム、ベーコンの製造工程
①整形。豚肉の形を整える
②漬け込み。2週間ピックル液に漬ける
③塩抜き。ひと晩冷水で塩を抜く
④整形。タコ糸、ネットで形を整える
⑤乾燥。薫煙箱に入れ、紀ノ川特製の炭で75~80℃で約4時間、中心温度65℃になるまで
⑥薫煙。桜の木で50℃で約5時間いぶす
⑦冷却。ひと晩かけゆっくり冷ます
⑧梱包。真空パック
⑨シュリンク。90℃で3秒
⑩冷却。冷水に入れる
●ソーセージの製造工程
①塩漬け。肉を塩だけで3日間漬ける
②カッティング・ミキシング。サイレントカッターで肉をカットしながら香辛料と混ぜる
③腸詰。ソーセージは豚腸に、ウインナーは羊腸に詰める
④乾燥。薫煙箱にて炭で60~65℃で1~2時間
⑤薫煙。桜の木で約50℃で30分~1時間いぶす
⑥ボイル。スチームハウスで70~75℃15分
⑦冷却。ひと晩かけ、ゆっくり冷ます
⑧梱包。真空パック
⑨シュリンク。90℃で3秒
⑩冷却。
●「無塩せきハム」の表示について
食品衛生法の改悪によってTONTONのハムには「無塩せきハム」との表示がなされていますが、正真正銘塩漬けしたハムです。大手メーカーのハムには「塩せきハム」の表示がありますが、塩漬けどころか添加物注入ハムです。TONTONのハムには「なるべく加熱してお召し上がり下さい。」の表示がさせられていますが、全然加熱の必要はなく、そのまま食べられるハムです。大手メーカーのハムにはこの表示がないかもしれませんが、加熱しても食べない方が身のためのハムなのです。
市販のハム、セージの問題点
かなり以前の話ですが、小学校の林間学校の宿舎として利用される徳島県のある施設の管理人が「ハムをメニューから外すことにした」という話をされていたことがありました。その理由は、残飯を山の斜面に捨てていたところ、他のものは腐ったり、サビたりしていくのに、ビンやプラスチックと同様、雨ざらしのハムがいつまでも原形を保っていたから、こんなものを子どもに食べさせていて本当によいのかと気づかれたそうです。
和歌山県の山奥の村・竜神村で、がんなどの病気が多いので、その理由を追求する学術調査が昔行われたことがありましたが、ハムなどの加工食品の利用が盛んになったのが原因だったという結論だったのです。ハムやソーセージは子どもが好きな食べ物の一つですが、これがまさに食の荒廃の代表的なものであるのです。
まず、原料に豚肉が使われているほうがむしろ珍しく、安い肉ならなんでも使っています。オーストラリアの大ネズミ(ヌートリア)など豚以外の約15種類の安い獣肉、さらにはキャリーオーバーの薬品だらけの魚肉まで使われています。また豚肉を使っていても、前号でご紹介したように、そのエサ、飼い方など問題だらけのものです。
また、くず肉、冷凍肉が原料になるため、ボツリヌス対策が必要となり、肉のアミンと結合して強い発ガン性物質ニトロソ化合物を作る亜硝酸ナトリウムや硝酸カリウムが使われます。これらは鮮やかな色にみせかける発色剤でもあるのですが、正体は細胞(生命体)を否定する殺菌剤なのです。
通常は温屠体のような超新鮮な肉が使われることが全くないので、ぼさぼさにならないように結着剤としてでんぷん(遺伝子組換え問題)、ゼラチン(狂牛病の心配のある原料や製造上の化学薬品の問題)、植物性蛋白(ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え、キャリーオーバーの添加物)、卵白(エサ、飼い方に問題)などが使われています。リン酸塩などを含む保水剤で1.5~5倍に肉を増量しています。結着のため、乳化安定剤、酸化防止剤、PH調整剤、結着剤を使っています。薫煙臭はタールを含む薫液を使っています。
味付は粗悪な塩や砂糖以外に、調味料として蛋白加水分解物(発ガン性)、アミノ酸(脳障害)、ポークエキス、ビーフエキス、ブイヨン(エサと飼い方、動物医薬品、キャリーオーバーの添加物)、みりん風調味料(ポストハーベスト農薬、キャリーオーバーの添加物)、水飴、ブドウ糖、麦芽糖(ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え)、乳糖、フマル酸、甘草などが使われています。
この他、防腐剤としてソルビン酸カリウム、エリソルビン酸ナトリウム、酸化防止剤として、BHA、BHT、(有害)ビタミンC(遺伝子組換え)、増量剤としてカゼインナトリウム(乳蛋白)、脱脂粉乳、保水剤としてリン酸ナトリウム、着色料として赤色102号、赤色103号、赤色106号、赤色3号、コチニール色素(昆虫が原料)、イカスミ色素、キビ色素、カルミン酸色素、アナトー色素、カラメル色素(発ガン性)、増粘多糖類、卵殻カルシウム、炭酸カルシウム、香辛料などが使われています。
ー文責 西川栄郎ー