鹿と競争で摘む旬の山菜

2006年4月2週号

採取したての旬の山菜を、2~3種をセットにしてお届けします。
野趣あふれる山菜料理を楽しんでみませんか。

 「山菜じゅうべえ」は、カタログ2005年10月1週号でご紹介した山を守る「杣の会」の仲間です。前回は、山ブキの佃煮としば漬けをご紹介しました。
 山菜じゅうべえの活動拠点は、安曇川の上流・針畑川の清流沿いに位置する滋賀県朽木村。西に行けばブナの原生林、東に行けば朽木渓流センターという自然豊かな山里です。いま日本の山里は、高齢化、後継者難、鹿などの獣害などでピンチです。山が放置され荒れると、ますます子どもたちを育てにくい環境にもなっていきます。
 山菜じゅうべえの西澤恵美子さんは、山を荒廃させている杉を減らして、山里の生活を守るため、山里に豊富な山菜を活かしていくことを考え、ふだんは体験山菜摘み、調理実習、食事処を兼ねた農園として活動しておられます。山菜は自然の中で四季折々に摘んだり、一部は栽培にも取り組んでいます。かつて村会議員をされたご主人の明さんも、恵美子さんのこの山を守る活動を応援なさっています。
 今回オルターとの共同企画として、春に採れる山菜をその採れたてに会員の皆様にお届けするという取り組みを試みることになりました。採れたての山菜2~3種(3~4人分)をセットでお届けしていく予定です。セット内容は旬におまかせです。4月は「出始め山菜セット」を予約で受付け、採取でき次第お届けします。5月~7月は毎週注文制です。
 採取の人手は主として西澤恵美子さんですが、注文数が多い場合は村内のお年寄りの協力を求めることになります。山菜摘みは、高齢化した山里の生産活動に向いています。この山菜の取り組みが、山里の暮らしを守るためのお役に立てればよいと考えています。
 この取り組みが成功すれば、山里にふさわしい現金収入の道が拓けるだけでなく、私たち都市生活者は春の野趣あふれる山菜料理に舌つづみを打つことができます。またひとつ山里と町のきずなが深まりそうで、ワクワクします。
 春のにがみ・山菜はとても体にいいとされています。一年に一度は野趣あふれる山の便りを楽しんでみませんか。

◆山菜じゅうべえの山菜
●全く天然物として採取するもの
ヤマニンジン、コゴミ、ワラビ、コシアブラ、タカノツメ(唐辛子の鷹の爪とは別物)、セリ、ユキノシタ、ノカンゾウの芽とつぼみと花、つくし、アサツキ

●一部栽培物が混ざるもの
ふきのとう、山ブキ…出荷の50%栽培。無農薬。肥料は宝牧場の完熟牛糞を購入し、何ヶ月も野ざらししたもの、刈った野草。
ウコギ…出荷の50%栽培。無農薬。肥料は刈った野草、野菜くず。
サンショウの実…出荷の90%栽培。無農薬。肥料は刈った野草。
タラの芽…出荷の90%栽培。無農薬。肥料は上記完熟牛糞。

●100%栽培のもの
みょうがたけ(ミョウガの新芽)…無農薬。肥料は刈った野草、野菜くず。
山うど、山うどの葉、花芽…無農薬。肥料は上記完熟牛糞、ぼかし肥(発酵菌、油粕、米ぬか、スリぬか、こうもり糞)

★CAUTION(右記一覧表)
※採取スケジュールはあくまで予定です。自然相手ですので、どのように季節がずれるかはわかりません。また鹿など獣害との競争で、全く採取で きないこともあります。せっかく予約していただいてもこういった理由でお届けできなくなることもありますこと、ご了承願います。

  ―文責 西川栄郎―

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