放射能汚染の心配のないパスタ
2006年8月4週号
放射能汚染の心配のない、北海道産小麦粉またはアメリカ産有機デュラム小麦粉のスパティー、マカロニです。
●放射能汚染の心配のないパスタを
1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故のあと、ヨーロッパ各地の食べものから高濃度の放射能汚染が検出されました。スパゲティーやマカロニの原料に使われるデュラム小麦は、地中海式の乾燥した気候でできるもの、主としてイタリア産で、そのため高濃度の放射能が検出されています。
スパゲティーやマカロニは子どもたちの大好物です。私たち消費者運動の立場として、その代替物を探すことが当時、切実なものとなりました。
そうした状況の中で、桜井食品が開発したスパゲティーは、北海道産の小麦を原料としており、放射能汚染の心配のないものとして歓迎されました。北海道産の小麦は、必ずしもスパゲティーに向いた品種ではないため、本場イタリアのスパゲティーと比べれば、歯ごたえなどの品質にやや難がありました。しかし私たちは、味わいは多少とも犠牲にしても安心を優先させたのです。
桜井食品では現在では、この国内産スパゲティー・国内産マカロニのシリーズに加えて、アメリカ産の有機栽培のデュラム小麦を原料とした本格的なスパゲティーも供給されています。
●スローガンは「食卓に健康を」
岐阜県美濃地方は、かつて小麦作りが盛んだった地域です。桜井食品の創業は明治44年(1911年)、現社長のひいおじいさんにあたる桜井清市さんが、近隣の農家の小麦を預かって精麦したのが始まりで、精麦、精米、うどんなどの製麺業としてスタートしました。
1968年に着色料や漂白剤を使用しない原料小麦粉で麺作りを始めたり、1974年「かんすい」を使わないラーメンを開発して自然食品店に出荷されるようになったのは、先々代の桜井与三吉社長が、自然な食べものを教えている世界救世教に入信されたのがきっかけでした。当時は、豆腐に使用されていた超有害な防腐剤AF-2が社会問題になっていたり、農薬汚染を鋭く告発したレーチェル・カーソンの著した「沈黙の春」がアメリカなどで大きな話題となっていた頃です。
現在では、国内各地の農家との提携、契約栽培を拡充し、オーガニックと認められる食べものの普及にまじめな努力を重ねておられます。
ー文責 西川栄郎(オルター代表)ー