生湯葉料理は健康の味方

2006年9月1週号

国産有機大豆でできた、たいへん素晴らしい生湯葉です
いろんな料理レシピで、豊かでヘルシーな家庭の味をお楽しみください

●栄養豊富でヘルシー、いま注目の食材
 湯葉は豆乳を湯煎し、表面にできる皮膜状のものをすくい取ったもので、鎌倉時代に中国より伝わったとされています。豆乳の蛋白質を固めたものですので、良質の植物蛋白が豊富で、日本の伝統食の一品としてたいへん優れたものです。
 しかし残念なことに、高価であるためか、主として京料理や精進料理の素材として料亭で使われているくらいで、一般家庭ではなかなか利用されてこなかったのが現実です。栄養豊富で消化がよくヘルシーな湯葉は、どんな食材とも調和するので、様々な料理にアレンジして楽しむことができ、冷凍保存もできるので、家庭料理の素材としてももってこいなのです。これを活用しないのはもったいないことです。
 湯葉弘の生湯葉は、価格もたいへんリーズナブルになっています。奥様の稲田敞子さんが、「おるたくん」でいろいろな料理レシピもご紹介くださっています。この健康素材を家庭の味の一品に加えることをおすすめします。

●国産有機大豆100%、無添加です
 湯葉弘の稲田安弘さんは長年鉄工所を経営されていましたが、事故をきっかけに仕事を続けることができなくなりました。そのため転職を余儀なくされたとき、奥様の実家が京都で代々の湯葉屋をしていたことから、湯葉作りに取り組むことになりました。
 湯葉屋を始めたもののすぐにお客さんができるわけでもなく、試作しては周囲の人々にどんどん配っているときに、オルターを紹介してくれる人がいたのが、私たちとの出会いでした。
 オルターへの出荷の条件は、大豆について輸入大豆をやめ、国産の有機大豆に切り替えていただくことと、消泡剤など薬品に頼らず昔ながらのやり方をしていただくことでした。湯葉や豆腐を作るとき、磨砕した大豆(生呉)を釜で煮ると、大豆のサポニンが激しく泡を生じます。一般の湯葉屋や豆腐屋では、この泡を消すために食品添加物である消泡剤を用います。オルターからの依頼に対し、稲田ご夫妻は、昔実家でそのつど泡をすくい取っていたことを思い出し、「昔のように手間を惜しまない作り方をすればよい」と気付かれて、これらの条件をすぐにクリアされました。
 また、すぐにオルターの熱心な会員にもなられ、今ではオルターのわいわいミーティングに毎回のように参加されて、湯葉の試食サンプルをご提供いただいています。参加している方々からその湯葉のおいしさに感激の声が寄せられています。
 湯葉弘さんの生湯葉を庶民の味にして、健康の輪を拡げていきましょう。

●原料および製造工程
●原料
 大豆は金沢の河北潟干拓地の井村晃さんの有機大豆(JAS認証)です。井村さんの大豆の品種はエンレイ。大粒で弾力があり、この北陸地方によく合った優良種です。除草剤をはじめ一切の農薬を使わず、土寄せを年4回されるなど手間を惜しまない栽培をされています。堆肥は主として酪農家からのきゅう肥と一部に発酵鶏糞です。化学肥料は使っていません。除草機は自分で開発した機械を使っていらっしゃいます。この大豆をオルターから供給させていただいています。
 この井村晃さんの有機大豆が不作などによって不足した場合、井村さんの認証のない無農薬大豆、もしくは他の生産者の同じレベルの大豆をやむを得ず使用することがあります。

●製造工程
1.大豆を水でよく洗い、水に浸ける。
2.翌朝水をかえ、大豆をざるでこす。
3.豆すり機ですって圧力釜に入れ、煮る。消泡剤を使っていないので、 泡が立ちますが、ステンレス製のへらでそのつど泡をとります。
4.搾り器に入れ、豆乳を絞り出す。
5.豆乳を木で仕切ってある平鍋(二重釜になっている)に入れ、湯煎する。
6.表面に張った皮膜状のものをすくいあげて、出来上がり。

市販の湯葉の問題点
市販の湯葉は高いわりには決しておいしくはありません。しかも原料の大豆にポストハーベスト、遺伝子組み換えなどの心配があるのです。製造工程中に消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル、炭酸カルシウム、シリコン樹脂など)も使っています。豆腐屋さんの湯葉は豆乳が濃いので、生ではおいしく感じますが、料理などに使って炊くには薄味の湯葉の方がおいしいのです。

ー文責 西川栄郎(オルター代表)ー

ページの先頭へ