シャンプー・リンスの選び方

2006年9月3週号

髪や地肌にやさしい石けん素材のものは、環境にもやさしく、おしゃれです。

●CMに登場する市販のシャンプー・リンスは 全て危険です
 「出産の際に羊水からシャンプーの匂いがする場合がある」という話を聞いたことがあります。シャンプーとして使った合成界面活性剤が体内に侵入している証拠です。
 合成界面活性剤の毒性を長年研究されてきた元・三重大学の坂下栄先生は、ラットの背中に市販のシャンプーを塗布して、それがいかに有害かを確認しておられます。シャンプーやリンスによる若ハゲの悩みが、男性だけではなく女性にも広がっています。ラットの背中と同じことを自分の頭にしているわけですから、かつらや育毛剤のCMがあふれるのも当然です。
 ヘアケア製品のCMも盛んですが、要は、毛髪のキューティクルや地肌を傷めるような有害なシャンプー・リンス製品の使用をやめればいいのです。

●染毛剤もパーマ液も有害
 
茶髪が若者に広がっています。ファッションは自由ですが、染毛に際して有害な合成界面活性剤や重金属が使われていることを忘れてはなりません。白髪染めも基本的に同じ毒性があり、茶髪や白髪染めで肝臓に重金属が蓄積し、なかには肝臓がんで生命を失っている方もおられます。ヘナが静かなブームになってはいますが、合成染料を使用している粗悪品、ニセモノが横行しているので選び方が重要です。
 パーマ液も有害です。お年寄りの中には、パーマ中に急死する方がいるくらいです。美しさと引き換えに、健康や生命を犠牲にする愚かさは慎むべきことだと思います。最近、若者の中にみどりの黒髪を見直す動きがあることは救いです。

●リンスは合成シャンプーの欠点隠し
 市販のシャンプーは危険な合成界面活性剤が主成分です。石けんシャンプーと比べて洗浄力、泡立ち、泡切れ、経済性が優れているわけではなく、むしろ人体や環境に有害です。これらがそれでも売れているのはまさにテレビCMの力で、「洗髪にはこういうものを使うものだ」と思い込まされ、「CMのモデルのようになれる」と勘違いしているだけなのです。もしあえてその長所を探すとすれば、様々な香料で香りを演出していることくらいで、百害あって一利なしです。
 主成分の合成界面活性剤は陰イオン系のものが多く、これが洗髪後も毛髪に残るのでゴワゴワ、バリバリします。この致命的な欠陥を、リンスを合わせて使わせることでごまかしているのです。
しかもこのリンスの主成分は陽イオン系の合成界面活性剤です。髪に残留している陰イオン系洗剤(シャンプー)の上に、さらに陽イオン系洗剤(リンス)をコーティングするというやり方です。そのため、毒物を頭髪につけて歩いていることになり、地肌にも体へもその浸透を許しているのです。
 シャンプーの欠陥隠しをするためにリンスを合わせてCMし、セットで使うものだと思い込ませて、消費者にシャンプーとは別にリンスの代金まで支払わせるという企みなのです。

●自然を装う非イオン系も有害
 
最近ではこの陰イオン系のシャンプーの欠点を配慮して、比較的毛髪や地肌に刺激性の低い非イオン系の合成シャンプーが登場しています。外資系や自然派をうたうメーカーが好んで採用し、かなり高価なものもあるようです。
 しかし、非イオン系でも合成界面活性剤を使用している以上、有害であることに変わりはなく、環境ホルモンの役割も果たしますので要注意です。

●石けん洗髪なら本来、リンスも不要です
 自然のままの髪の毛を洗う場合は本来、石けんで十分です。ハイビスカスの汁や米ぬか(木綿布に入れて使う)でも代用できます。髪に残っている石けん分(アルカリ性)を落としたい場合は、食酢、レモン汁、クエン酸液(薬局で購入して自分で作る)など酸性の液で中和して洗い流せばよいのです。
 石けんシャンプーなら、残留しても髪の毛が固くなったりゴワゴワすることはありません。したがってリンスなどは特に必要ありません。酸性のリンスをしたとしても、アルカリ性の石けん成分を流し去るだけで危険なものではありません。
 このことは、赤ちゃんのおむつ洗いや肌着の洗剤でも同じで、石けん洗いには柔軟剤は不要ですが、合成洗剤を使った場合には合成洗剤のリンスと同じ目的の柔軟剤が必要なのです。そして、洗濯物に約0.2%残留する洗剤成分が肌に直接触れている肌着などから皮下注射さながら、体内に侵入してくるのです。

●自然のままの髪の毛なら、シャンプーは「自然丸マルセル」と「自然丸液体石けん」が おすすめ
 
 茶髪、染毛剤使用、パーマなど化学的なことをしていない髪にはこれで十分。
 「自然丸マルセル」はもともと絹糸洗いに用いられていた高級石けんで、これひとつでシャンプー、肌用、台所用に向いています。小さく切って浴室に持ち込めば使いやすいはずです。100%動植物油脂で、化学合成物質は一切無添加でたいへん安全です。
 「自然丸液体石けん」は化粧品の許可を取得していませんのでシャンプーとしては売ることができませんが、シャンプーとしてもおすすめです。もちろんボディーソープとしての使用や、台所用、二層式なら毛糸洗い、通常の洗濯用にも向いています。アルカリ助剤や添加物を配合していませんので、髪の毛、毛糸、絹など動物性繊維洗いに向いています。ポリ公害と無駄を考え、お得用な詰替え用のみがあります。
 液体石けんの中に紅茶のティーバッグを2~3日浸けて茶色くなった液で洗髪すると、紅茶のポリフェノールが蛋白を固める作用で、髪の毛がサラッと洗いあがります。クレオパトラは粘土を紅茶で溶いて髪を洗っていたそうです。

●石けんに切り替える際に注意すべきこと
 昔のように人が自然のままに暮らせる時代であれば、「シャンプーは石けんで」という話は単純です。そして毎日のように洗髪しなければ、髪の毛はまさにみどりの黒髪となるのです。あまり適切な表現ではないかもしれませんが、洗髪をあまりしていないはずのホームレスは一様に黒々とした毛髪の持ち主が多く、ハゲている人が少ないのはけっして偶然ではありません。
 しかし、現代人は茶髪や白髪染めで重金属を毛髪に付着させています。そこへアルカリ性の石けんをもっていくと、金属と石けんが反応して金属石けん、すなわちグリースができてギタギタになってしまうのです。
 したがって、毛髪に化学物資をいっぱいのっけている人が石けんシャンプーを使うときは、まず湯洗いをし、次に酸性リンスで金属を除去してから、そのあとでシャンプーを使うことをおすすめします。さらにそのあともう一度リンスをするのもよいでしょう。すでにパーマや染毛で化学物質まみれになっている人が安全な石けんシャンプーをあきらめてしまわないために、このコツは大切です。
 またフケの問題もあります。石けんはアルカリ性ですので、どうしてもフケの原因になりやすいのです。しかも、それまで合成界面活性剤で傷め続けていた地肌に対し、石けんシャンプーを初めて使ったときは、頭皮がどっと入れ替わってフケがいつもより多く出ることがあります。その場合は、気にせず根気よく石けんシャンプーを使い続けるか、アルカリ性を調整する少し価格が高めの低刺激性石けんシャンプーを選ぶことをおすすめします。

ー文責 西川栄郎(オルター代表)ー

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