よみがえった古代米 真南風(4)
2005年4月2週号
よみがえった古代米
真南風ご紹介シリーズ第4弾は石垣島んの仲新城淳さんの黒米と小浜島の平田清さんの島らっきょうとにんにくです。
◆仲新城淳さんの黒米
仲新城淳さんは、石垣島の豊かな水と微生物農法を活かして、農薬を使わず、古代米である原種の黒米を栽培しています。
黒米はアントシアニンとい抗酸化力のある色素を多く含み、ガンや老化を招く活性酸素を消去し、細胞の若さを維持して生活習慣病を予防する効果があるといわれています。
白米1合に対して、ティースプーン1杯ほどの割合で黒米を入れて普通に炊いてみて下さい。ほんのり紅色に染まり、簡単にモチモチした赤飯が出来上がります。
黒米(赤米)は、縄文時代の後半から弥生時代の前半に、中国より日本へ入ってきたとされています。弥生時代の日本のお米の主たる栽培種は、この黒米だったといわれています。丹波地方の由来は丹(赤)の波(稲穂の風になびく様)で、当時日本海側に大陸からの交通の玄関があり、渡来人が黒米が田圃が赤い波に見えるさまから名づけられたとのことです。
古代米は色彩、香りが楽しめ、栄養豊富で、古代の人々も好んで食べ、祭りごとなど喜びのときには縁起米として重宝されていました。当時はお米はたいへん貴重なもので、神にお供えしたり、お祝いなどハレの日に食べていました.赤飯の原型でもあったのです。現在では健康ブームの中で、雑穀同様、見直されてきています。
仲新城さんが栽培している原種米は、インドネシアから台湾、さらに西表に渡来し、消滅寸前だった原種の黒米を50粒から自然農法にこだわり、試験栽培を3年間続け、増やし続けて実現した、国内でも稀な長粒種のもち米です。
収穫後、味を大切にするためもみで保管・管理しており、精米は出荷直前に行っています。仲新城さんは若い頃はサトウキビも栽培していたことはありましたが、現在では米1本にしています。黒米以外にもコシヒカリ、アキタコマチ、ハエヌキ、ヒノヒカリ、ヒトメボレなどの品種も栽培しています。
品種:原種黒米
◇栽培方法
微生物資材、大新㈱のラクトバチルスを自作の米ヌカに混ぜて使用しています。その他、自圃の稲わらを使っています。イモチ、カメムシはあまりいません。病害虫対策は木酢液や自家製もみ酢を計3回程度使うことがあります。12月と6月の年2期作。
除草対策は田植え前に8日間水切りをし、雑草の発芽を促してから水を入れ、トラクターでかき回しています。そうするとあまり草は生えません。その後の除草は手除草です。除草剤などの農薬や科学肥料は使用していません。
黒米は土が肥えすぎると育たないため、痩せ地を選んで栽培しています。収穫後はもみで保管し、出荷直前にモミすりをして玄米にしています。
割れ米やゴミを手で選別除去し、30kg袋で真南風へ出荷します。子袋詰めは真南風が担当しています。
普通のモミすり機では黒米の場合、割れてしまうので、農機具研究所に依頼して製作した特製ドラムを使っています。
◇家庭での保管
購入後は16~17℃の保冷がよい。冷蔵庫の野菜室が保管に向いています。
平田清さんの島らっきょう、島にんにく
島らっきょうはいわゆるラッキョウ漬にするものではなく、塩を振り、生で食べるものです。島らっきょうは沖縄独特のもので、普通のらっきょうよりも細長く小ぶりですが、らっきょう臭くなく、香りがよく、さっぱりしています。
まず水洗いをし、薄皮を剥いてから生で薄く切って塩もみをして、鰹節をかけ、醤油や三杯酢をたらして食べたり、薬味として素麺チャンプルに合わせたり、炒め物にしたりと活用範囲も広いものです。お酒の肴にも向いています。
平田清さんは、島らっきょう、島にんにくを農薬や科学肥料を使わず栽培しています。
◇栽培方法
元肥:ゴマ粕、自作
島らっきょうは害虫に強く、農薬は使わなくても栽培できます。土はゴマの後に植えているのでよく肥えています。
-文責 西川栄郎-