家庭用消臭剤も安全なものを選びませんか
2005年5月2週号
暖かくなりお部屋のにおいが気になる季節ですが危険な市販の家庭用消臭剤は使わないでください。食べものだけでなく日用品にもこだわるオルターが人にも環境にもやさしい2品をご紹介します
「お出かけ前に、お掃除仕上げに、お休み前に、布にしゅしゅっと…」というテレビコマーシャルが、数年前から派手に流れています。においや雑菌を極端に嫌う抗菌的な世情もあってか、この種の家庭用消臭剤が飛ぶように売れているそうです。
しかし、市販されている消臭剤には界面活性剤などの有害化学薬品が使われています。いくら食べものの安全性に気をつかっていても、室内に自ら化学物質をまき散らしたのでは、その努力も台無しです。
また、市販の消臭剤の作用メカニズムは、におい物質を別のにおい物質でマスキング=覆い隠すだけのものが一般的で、においの元を断つものではないので、習慣的にスプレーすることになります。だからこそ飛ぶように売れているのでしょうが、化学物質過敏症などに発展する危険性があることをメーカーはどのように考えているのでしょうか。
オルターはこの身近な問題に注目し、安全な代替品を探してきました。
今回ご紹介する2種類の消臭剤は、
においの原因を根本から分解もしくは抑制する、
人にもやさしい安全な製品です。
●オーブスユーカリプタススプレー 〔オーブス(株〕〕
●シナジーウォーター 〔オーエスユー(株)〕
●オーブスユーカリプタススプレー 〔オーブス(株〕〕
オーブス(株)は、シックハウスVOC(揮発性有機化合物)を発生源で抑制するW'PHIXZ-able工法を開発した会社です(カタログ2004年10月3週号参照)。
オーブス(株)の岸清美さんはもともと一級建築士ですが、建築現場での「水」の不思議体験から、水の研究開発の道に入り、水の開発研究事業を行うオーブス(株)を創業なさいました。
オーブスではその純水高密度安定化技術を用いて、化粧品、ボディケア製品、清涼飲料水、食品用原材料、農業用原材料、工業用原材料など多種類の水製品を開発しています。
この「ユーカリプタススプレー」もそのひとつです。オーブス独自の消臭効果のある活性水に、高品質のユーカリオイル(カタログ2002年5月3週号参照)を微量使っています。
◇内容成分
OrBS安定純水、天然ユーカリプタスオイル
◇作用メカニズム
オーブスの独自の技術で作った活性水「OrBS安定純水」に消臭効果があります。天然ユーカリプタスオイルには清浄・消臭効果、防虫効果、抗カビ・抗ウイルス作用、ヒョウヒダニ忌避作用、アロマテラピー効果があります。
◇特徴
界面活性剤・アルコールなどの化学合成物質を一切使用していない100%天然自然製品です。
素肌や顔が触れるところも、あとの水拭き・水洗いが不要です。あとに匂いは残りません。赤ちゃんやペットが口にしても安全です。
◇用途・使用方法
○除菌剤・消臭剤として…衣類、ソファー、カーテン、カーペット、布団、ベッド、枕、座布団、クッション、ぬいぐるみ、玩具、車内のにおいに適量スプレーし、自然乾燥してください。急ぐ時にはドライヤー乾燥も可能です。
○清浄剤として…眼鏡やガラス器、ガラス窓などの清浄や、台所のコンロ、レンジ周り、タイルの油汚れは、ペーパータオルで拭くだけ。ひどい汚れの場合は2~3回繰り返し拭き取ります。
フローリング、クッションフロア、カーペット類には適量をスプレーし、乾いた雑巾やペーパータオルで拭き取ります。汚れのひどいものは2~3回繰り返します。
●シナジーウォーター 〔オーエスユー(株)〕
オーエスユー(株)は大阪産業大学が出資する「大学発ベンチャー」の第1号。同大学工学部の山田修教授が社長に就き、2000年12月に設立しました。
山田教授らが開発した多孔質セラミックスを看板に、技術の社会還元を目指しており、地元の中小企業などと組んだ製品が次々に市場に登場しつつあります。
多孔質セラミックスは、炭化チタンと銀を燃焼合成して、表面に酸化チタンを被膜として生じさせたもの。空隙率は50%で、内部は目に見えない数十ミクロン単位の孔が無数に空いた3次元の網目構造となっています。
「シナジーウォーター」も、この多孔質セラミックスの特徴を生かした製品。水に投入するだけで消臭・除菌・抗菌効果を発揮します。この品は藤岡佳代会員のご紹介です。
◇ 内容成分
セラミック多孔質ペレット+銀、光触媒酸化チタン
◇ 作用メカニズム
燃焼合成という新製法で作られたセラミック多孔質ペレットを使用。
ペレットの表面は光触媒酸化チタン(Ti02)でコーティング。ペレット1個に銀0.8g使用。
水を投入すると24時間後に銀イオンが浸出、同時に酸化力の強いヒドロキシルラジカル(・OH)が発生。この銀イオンとヒドロキシルラジカルの相乗作用で消臭、除菌、抗菌効果を発揮します。
◇特徴
塩素の10倍の除菌力、長時間の抗菌力が持続します。
水道水を補給するだけで自分で作れます。使用できるのは補給後20時間後です。
1本で100回繰り返し使用できますので大変お得です。ゴミも減らせます。水と銀イオンだけですので安全です。皮膚への刺激、機械への腐食などの心配がありません。
◇用途・使用方法
○消臭剤として…生ゴミ、ゴミペール、トイレ、お年寄りの部屋、ペットのにおいに。靴(高級品は避けてください)や下駄箱、カーテンなどの布製品に染み込んだにおいに。車のにおいに。洗濯物に(室内干しをしても後でにおいません)。洗っていないジーンズ、汗や煙草のにおいのあるものに。灰皿にシナジーウォーターを入れておくとにおいません。
○抗菌剤として…包丁、まな板、布巾、食器、ガスコンロなどに。浴室、洗濯機、台所のぬめりに。換気扇のフィルター、入れ歯、フローリング、机、鉄棒、砂場、手洗い、飲食店、食品製造加工施設に。ホテル、介護施設、動物施設に。レジオネラ菌対策、院内感染対策、医療器具の殺菌清浄。緊急時に雨水殺菌による飲料水確保。生け花の保存水。
市販消臭剤の問題点
よくテレビコマーシャルに出ている製品「Fリーズ」の製品容器の表示には「トウモロコシ由来成分、有機酸、香料」と記しています。
一見安全そうなイメージだけを与えようとしているもので、その実態は何も説明していません。表示をわざとあいまいにしているだけはでなく、メーカーに問い合わせをしても成分の情報は公表しません。このような全くのブラックボックスに隠された商品を購入し、結果的にメーカーを野放しにしているのは消費者といわれても仕方がありません。
おそらくは糊のようなもので香料を繊維に付着させ、においをマスキングしようとしている製品と推察され、その原料原価は極めて安いものだと考えられます。
問題はその安全性ですが、遺伝子組み換えの心配のあるトウモロコシからどのような化学的処理をしたのかわからないこと、有機酸の正体や製造工程がわからないことから、これらを室内に使うのはやはり心配すべきだと思います。
マスキング目的の成分、香料はそれ自体に毒性のあるものがあって、細かいミストになって肺に吸収するような形での使用は要注意です。消臭剤の成分としてエタノールやフラボノイド、トレハロースなどはまだましな方だと思われますが、本来室内でまくようなものではありません。
一番注意すべき消臭剤のタイプは、界面活性剤や除菌剤のような毒性の強い成分を使っているものです。特に、毒性の強い界面活性剤を成分とする洗濯用柔軟剤を消臭タイプと謳って宣伝している製品は悪質です。いずれにせよ、においが気になるからといって有害な化学物質を室内にまき散らすのはあまり賢明だとはいえません。
ー文責 西川栄郎ー