お正月は、本物の 「杵つき餅」で
2005年12月4週号
国産モチ米をせいろで蒸しあげ、ケヤキの杵と臼で、ぺったんぺったん。こしがあるのに柔らかい、昔ながらの餅です。
餅はモチ米で作られるものと思い込んでいる人は多いと思います。しかし、残念ながら餅にもニセモノが横行しているのです。ごはんとして食べている「ウルチ米」に糊料としてCMC(カルボキシメチルセルロース)を加えて、餅に仕立てたものが一般に出回っています。
安い外国産の、しかもくずモチ米の粉から作られているものもあります。理由はひたすら値段をごまかすためです。これらはまずいことに言うまでもなく、外国産のモチ米粉にはポストハーベスト農薬の心配さえあります。
幸崎けやき堂(徳島市)の幸崎由章さんは、昔ながらの方法で、ごく当たり前に餅を作っておられます。すなわち国産のモチ米を蒸し、ケヤキ製の木製杵と臼でつくやり方です。原料のモチ米がおいしいこともおいしい餅になる理由ですが、木製の杵と臼でつくことも、適度な歯ごたえのおいしい餅になる理由です。
一般の餅は「杵つき」を謳った品でも、安くてまずい外国産のモチ米を、プラスチック製の杵と鉄製の臼でついています。これではどうしてもおいしい餅にはなりません。
幸崎さんは以前、神社の門前で餅を売っておられました。お父さんはケヤキ製品が趣味で、それも門前で商っておられました。その趣味が臼と杵に活かされて、おいしい餅作りにつながっています。私との出会いはさらに安全、安心の原材料にこだわること、食品添加物など薬品を使わないことにつながりました。
天然ケヤキ材の杵と臼でつく幸崎けやき堂の餅
●こだわり1
味にこだわります。だから材料にこだわります。国産100%の原料です。
●こだわり2
ケヤキ製の杵と臼でついています。木でついた餅は一味違います。こしがあるのに柔らかいのです。昔懐かしい手作りの味です。届いてすぐはそのままで、冬でしたら2~3日してもおいしく召し上がれます。つぶあんも自家製で昔ながらの作り方です。だから味はとってもまろやかです。
●こだわり3
安全性にこだわっています。当然、食品添加物は一切不使用です。餅にも、つぶあんにも防腐剤、着色剤など一切使っていません。だから作って3時間もするとよもぎは色あせてきます。1週間もそのままの色の状態が続くことはあり得ません。あくまで自然なままを大切にしています。
※冷凍ですので、おはぎ以外は1カ月の保存も可能です。そのまま解凍したり(できたての味になっています)、蒸したり、炊いてお召し上がりください。
幸崎けやき堂の餅
【定番品】
●白小餅
モチ米を蒸して、ケヤキの木で作った杵と臼でついています。
原材料:モチ米
●たかきび小餅
モチ米とたかきび粉を一つのせいろに入れて、蒸してつきます。
原材料:もち米、たかきび粉、三温糖、赤穂の天塩
●あん入り豆大福餅
原材料:モチ米、小豆、赤エンドウ、三温糖、赤穂の天塩
●あん入り金時芋餅
原材料:モチ米、小豆、さつまいも、三温糖、赤穂の天塩
●あん入りたかきび餅
原材料:モチ米、小豆、三温糖、たかきび粉、赤穂の天塩
●あん入りよもぎ餅
幸崎けやき堂の一番のお勧め品。天然のよもぎがたっぷり入っています。
原材料:モチ米、小豆、三温糖、よもぎ、赤穂の天塩
●つぶあん 原材料:小豆、三温糖、赤穂の天塩
●赤飯
モチ米を小豆の炊き汁で色付けして、炊き上げた小豆と塩を混ぜて蒸した後、冷凍しています。召し上がる時は20分自然解凍して、パックにくっつかなくなって中身を取り出し、蒸し器 に入れて約15分蒸して下さい。
原材料:モチ米、小豆、ゴマ(国産・無漂白無着色)、赤穂の天塩、 三温糖
【正月企画】
正月用の餅は焼き餅用に通常より水分を控えめで固く仕上げてあります。水分が多いと網にくっつくからです。「のし餅」は塩味の焼き餅。好みの大きさに切って下さい。
●五合鏡餅●白のし餅●たかきびのし餅●よもぎのし餅●白丸餅●あん入り白丸餅(年末だけの製造です)●あん入りたかきび餅(定番とほぼ同じ味で固め)●あん入りよもぎ餅(定番のものより砂糖控えめ、塩は多めの塩味っぽい感じ)
【季節品】 今回企画はありません。
●ひな祭りひし餅
原材料:赤:モチ米、たかきび粉、三温糖、赤穂の天塩/白:モチ米、三温糖/青:モチ米、よもぎ草、赤穂の天塩
●ひな祭り3色あん餅
原材料:赤:あん入りたかきび餅/白:あん入り豆大福餅/青:あん入りよもぎ餅
●おはぎ(秋)、ぼた餅(春) 炊いたモチ米を冷やしてから、こしあんで包みます。少量時は手もみです。
原材料:モチ米、小豆、三温糖、赤穂の天塩
厳選された安心・安全な素材と作り方
原料
●モチ米…佐賀県産
●たかきび粉…徳島県産もしくは岡山県産
●小豆…北海道産
●赤エンドウ豆…北海道産
●よもぎ…幸崎さん自家採取。神山町、勝浦町の山中や吉野川中流域で採取しています。
●砂糖…三温糖(ムソー)
●塩…赤穂の天塩
●さつま芋…自然食品店で購入(詳細不詳)
●ゴマ…国産・無漂白無着色
●もちとり粉…北海道産馬鈴薯でんぷん
作り方
【餅】モチ米をせいろで蒸し、ケヤキ製の杵と臼を使って杵づきして、手で丸めます。糊料など食品添加物は一切使いません。
【小豆あん】自家製です。小豆と砂糖と少量の塩だけで煮て作ります。次亜塩素酸 ソーダー、防腐剤など食品添加物は一切使いません。
【よもぎ】春のシーズンに1年分、上部の葉を採りだめして、大釜で100℃で約5分ゆがいてアクを抜き、うちあげて水に入れ、30分ほど浸し、すすいで絞り、袋に入れて-20℃で冷凍保管しています。たいへん風味豊かです。乾燥よもぎ粉や合成着色料を一切使っていません。
市販の餅の問題点
原料が安い輸入のモチ米やモチ米粉の場合、ポストハーベスト農薬の心配があります。国内産のものでも、安いもち米粉とかくず米とか古々米とか価格の安いものを使います。当然味は悪くなります。テレビコマーシャルで「○○○のきねもち」と宣伝しているもので、安いウルチ米(ごはんとして食べているお米)にCMC(カルボキシメチルセルロース)という薬品を使って餅に仕立てているものもあります。
このような品物を例えば鍋料理に入れたら、どろどろに溶けたり、べろべろに伸びてしまいます。まともな餅なら煮て柔らかくなっても、歯ごたえのあるしっかりした餅のままでいるものなのです。
最近は家庭用の餅つき機のように、練るタイプの機械で作られる餅が主流ですが、当然臼と杵でつく餅の方がおいしいものができます。
市販のあんは、原料の小豆がポストハーベストのある中国産であったり、小豆以外の安い豆をあんに仕立てています。その豆を洗う時に次亜塩素酸ソーダなど消毒薬を使っています。あんはすぐ傷みやすいので、通常防腐剤を入れています。小豆以外の原料の場合は着色料の使用もあります。
市販のよもぎ餅には、中国産などの乾燥よもぎ粉が使われており、風味はありません。合成着色料も一般的に使われています。緑色の合成着色料はとくに毒性が強いものです。
ー文責 西川栄郎ー