オルターオリジナル仕様無添加いくら醤油漬
2005年12月5週号
こだわりの調味料で、無添加のいくら醤油漬
標津漁協で今年水揚げされたサケのいくらと、オルターこだわりの調味料で、無添加のいくら醤油漬を作りました。
市販のいくら醤油漬は化学的な味がしたり、嫌な臭いがあったりして、手作り的なものを除けばおいしくてまともなものにお目にかかれることはめったにありません。そこで、日本の水産を守ることをテーマにオルターが取り組んでいる標津漁協のサケにご協力をいただいている、こだわりスーパー「Lucky Pantry」の(株)大近さんの要請により、標津漁協のいくら醤油漬を開発することになりました。
いくらはサケの魚卵から作られます。地元で秋味(あきあじ)と呼ぶ、産卵のために沿岸に戻ってきた秋サケのほどよく熟した卵から作ります。このとき卵を採る秋サケの活きの良さと卵の熟し加減が、できあがる品物の品質を大きく左右します。
使用する鮭卵は、カタログ2005年4月5週号でご紹介した、日本一の水揚げ量を誇る標津漁業協同組合(北海道標津郡標津町)の鮭卵です。地域HACCP(危害分析重要管理点監視)に取り組み、漁船ごとのトレーサビリティーを確立しています。
定置網の水揚げ時から大量の氷を使ってサケを氷温管理しているため、たいへん鮮度のよい鮭卵です。標津の漁師たちは、日本一活きの良い秋サケを水揚げすることを誇りにしています。
この鮮度抜群の鮭卵を原料に、オルター指定のこだわり調味料を使って、いくら醤油漬に加工していただきました。いくら嫌いの人も「これなら食べられる」と驚いた、まさに絶品のいくら醤油漬です。
右から藤田八束博士、標津漁協組合長・佐賀淳悦さん、産地加工センター・林邦彦さん
標津漁協 オルターオリジナル仕様 無添加いくら醤油漬
標津漁協の加工スタッフが思わず驚くほどの高級調味料を使っています。通常だと1kgのいくら醤油漬を作るのに50~100円ですむ調味料が、オルターの場合は300円以上もかかりました。オルターの使う調味料の方が食べものとして当たり前だと思うのですが。現状ではとってもこだわったものになったのです。
【原料】
●鮭卵…標津漁業協同組合(カタログ2005 年4月5週号)水揚げ時以降、氷温で管理しています。鮮度抜群です。メスのサケから採卵したあと、水道水程度の濃度の次亜塩素酸ソーダで塩素消毒しています。近い将来この工程は廃止していただきたいと思っていますが、現行政下では、万が一細菌が検出されると出荷できなくなりますので、テストを重ね確実になるまで待ついう判断をしています。
●醤油…(株)かめびし(カタログ1998年 10月1週参照)のオルターいくら醤油漬用特製うす口醤油。国産有機無農薬丸大豆、国産丸大豆、国産小麦、天日塩、むしろ麹法。通常の塩分濃度だと塩味がどうしても強く出るので、特別に塩分14%のものを調整していただきました。
●純米酒…大木代吉本店の純米料理酒・蔵の素(カタログ2002年7月3週参照)。
グルタミン酸ソーダーを使わず、純米料理酒を使って味付けしています。
●みりん…角谷文治郎商店の三河みりん(カタログ1998年12月1週参照)。
【製造方法】
●水揚げされたメスザケから、その日のうちに採卵し、醤油漬に加工します。一昼夜熟成したあと冷凍保管します。
①水揚げしたサケから原卵腹出し
②原卵洗浄
③水切り
④卵粒分離
⑤次亜塩素ソーダ溶液(水道水と同程度の濃度)に浸けて殺菌
⑥真水で洗浄
⑦水切り
⑧鮭卵を醤油、純米料理酒、三河みりんを混合した調味液に漬け込み
⑨調味液から出し、一昼夜液切れと熟成を行う
⑩選別・計量
⑪金属探知
⑫色選
⑬チルド保管(10℃以下)
⑭急速凍結(-40℃)
⑮冷凍保管
市販のいくら醤油漬の問題点
いくらにはゼラチン、植物油、着色料などで人工的に作られた工業製造も登場する時代です。こんなニセいくらは論外として、生鮮いくら製品にも鮮度や使用する調味料に問題があります。
標津漁協のように定置網から水揚げした時点以降、氷を使って氷温管理を行っていればサケの鮮度が保てるのですが、一般には常温で水揚げをし、採卵作業をしています。その段階で鮮度が低下することになります。
採卵した卵は次亜塩素酸ソーダにより塩素消毒され、調味液に漬けられます。調味液には醤油、砂糖、塩、グルタミン酸ソーダを含む調味料など安くて粗悪な材料が使われています。当然キャリーオーバーで各種食品添加物を含むことになります。そのため市販のいくら醤油漬は、化学的な嫌な臭いがあったり、おいしくないため、好き嫌いのある食べものになってしまっています。
ー西川栄郎ー