良心的価格で大手メーカー品以上の品質と使用感 ハイム化粧品

2004年6月4週号

 

 100円化粧品として化粧品業界に旋風を起こしたハイム化粧品は、1961年に誕生しました。「化粧品は原価が安いのに、法外な値段で売られている」というのが、100円化粧品の発想の原点でした。もちろん、100円化粧品を実現するために、
①パッケージ、容器代の簡素化する
②宣伝費を削減する
③本社直送方式か1県1代理店方式による流通経費 を削減する
というコスト削減の工夫をなさいました。
 安価にしたからといって、品質は大手メーカーのものと比べて、決して劣るということはありませんでした。ハイム化粧品では、1965年に独自に目隠しテストを行い、他メーカーの化粧品との使い比べを始めました。

さらに1966年からは、東京都を始め、各県の消費者センターが次々と目隠しテストを行い、ハイム化粧品の品質の高さが証明されていきました。そして1966年、NHK番組「こんにちは奥さん」でテレビ画面にも登場し、100円化粧品の信頼度が世に認められたのです。
 1975年ごろより、化粧品障害が社会問題化してきました。合成界面活性剤、タール系色素、BHTなどの酸化防止剤などが問題視されたのです。その中で、ハイム化粧品は1977年、全成分の表示に踏み切り、1978年にはその使用目的と配合量までも公開することにしたのです。公表に踏み切った理由は、
①皮膚障害を起こした原因を追求するのに、成分表示がない化粧品では対応できないという皮膚科医の声
②成分表示によって、化粧品の原価を消費者の前に 示すことができるとの判断からです。成分隠しは、消費者の無知を良いことに「他に例のない成分」を使っていると宣伝するような高額化粧品の隠れ蓑になってきたからです。
1983年には、業界に先駆けて化粧品の「製造年月日」を表示しました。
 2001年4月1日より、化粧品は全成分を表示することが、国によって義務付けられました(ただし、キャリーオーバーとして使われる化学物質は表示されることはありません)。アレルギーが社会問題化したからです。しかし、ハイム化粧品は、実に24年も前に、この全成分表示を先駆けてこられたのです。このように、ハイム化粧品が創業以来受け継いでこられた「消費者に常に誠実であれ」という理念に心からエールを送りたいと思います。
 ハイム化粧品は、できるだけ動植物油脂や漢方生薬、天然色素などの天然原料を使用し、その他の成分も充分に安全性をチェックしたものだけを使用するという良心的な開発、製造をなさっています。1979年のピュアシリーズの製造に伴い、人体に対するパッチテストも念入りに行っています。工場の製造室や充填室は、一般病院以上のクリーン度を保っています。使用する水も逆浸透膜やイオン交換樹脂を使って、水質を保っています。工場排水は、凝集沈殿方式や土壌菌方式を導入して、鯉を飼えるほどの浄化を行い、環境に配慮なさっています。早くから石けん運動にも取組み、人と地球に優しい、誠実で良心的な企業であり続けたいと願っておられます。
 オルターでは以上のようなハイム化粧品の基本姿勢を評価し、応援しつつも、現状の製品を全て手放しで良いと考えているわけではありません。なぜなら、合成ポリマーの使用が目立つこと、毒性は低くても2種類以上の合成界面活性成分の併用が見られることなどがあるからです。そのため、数は少ないのですが、皮膚トラブルになったケースも残念ながら起きています。
 オルターで2001年に行った化粧品検討会、それに続く、ハイム化粧品研究スタッフとの話し合いで、その改善をお約束していただいております。ハイム化粧品は、まだまだ進化していくと考えています。
 ハイム化粧品の個々の製品に対して、成分面から見た皮膚に対する影響度に関する、オルターの評価は別表に示すとおりです。ただし、この評価で▲(お勧めできない)や×(使用しない方がよい)という評価のものでも、大手メーカー品との比較をすれば、やむをえないケースもあります。したがって、オルターとしてのハイム化粧品の位置づけは、これまで大手メーカー品を多用なさってきた消費者なら、まずハイム化粧品に切替えて、ほぼ通常通りの使い方をすることになんら遜色なく、楽しくお使いいただけるはずのものということです。また、ノーメイクなどで、めったに化粧品を使わない方がたまにお使いになり、使用の必要性がなくなればすぐにメイク落としなさる限り、とくにトラブルは発生しないと考えます。ただし、継続的に使用していただく場合は、下記のオルターの評価を参考にしていただき、ピュアシリーズやナチュラルシリーズの低刺激性のアイテムなど、こだわり度の高いものを選択してお使いいただくことをお勧めいたします。

ハイム化粧品 2004年夏チラシ各アイテムに対するオルターとしての評価
 化粧品の安全性に関して最大のポイントは、皮膚のバリアゾーンを壊さないことだと考えます。バリアゾーンは、異物や細菌の侵入、水分の蒸発を防いでいます。そのバリアゾーンを破壊しない限りは、食品と違って化粧品の場合は多少毒性がある成分でも、その使用が許されます。しかし、合成界面活性剤のように、バリアゾーンを破壊し、有害物が肌に浸透することを可能にするような物質を化粧品として使用するのは要注意です。
 オルターとしての別表の評価をする際に、とくに判断の根拠としたことは、バリアゾーンを壊す心配のある合成界面活性剤を2種類以上の併用やその使用量、その合成界面活性剤使用下における他の毒性成分の併用、皮膚の環境を悪化させる合成ポリマーの使用の有無などです。紙面の
都合で、それら個々の成分の評価は次号以降に回します。
 当然のことですが、化粧品が果たすべき役割には必ずしも安全性だけでは語れない部分があります。すなわち、メイクアップの見栄え、機能性などであり、評価が▲や×になっているからといって、全否定できないものもあるということもご理解下さい。

※ハイム化粧品に対するオルターの評価は、ハイムのチラシに添付した別表をご参照下さい。
 また、ハイム化粧品をご注文の方は、カラーチラシをご覧下さい。
(お断り:印刷の関係で、チラシの色と現物の色が多少食い違うことがあります)

市販の化粧品の問題点
 一番の問題は、皮膚のバリアゾーンを破壊する、強い作用を持つ合成界面活性剤が乱用されていることです。製品製造上の都合や、弱い合成界面活性剤では、メイク落としが難しいという理由で使用されているためです。そのため、美白化粧品の発ガン性、環境ホルモンなど有害な成分や日焼け止めクリームの有害な紫外線吸収剤などの成分がやすやすと体内に侵入してしまうのです。そのほか、殺菌防腐剤、タール系色素、酸化防止剤など多種多様な毒物の肌への侵入を許してしまうのです。
 最近では無添加化粧品がブームになっていますが、しかしこれも問題だらけです。無添加を標榜するために、皮膚の環境を壊す合成ポリマーが多用されています。自然派化粧品を謳っていても、「○○エキス」にはキャリーオーバーで抽出溶剤などの化学薬品の使用があります。なおかつ、肌の健康に無意味な「○○成分が効く」という悪質な宣伝が後を断ちません。パラベンを悪者にして売られている高額な自然派化粧品も、残念ながらほとんど全てが詐欺まがいのものです。

(文責:西川栄郎)

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