2013年5月1週号 佐野 武男社長 |
地球にも、お尻にもやさしい牛乳パックのトイレットペーパー
無漂白、古紙100%
静岡県富士市にある丸富製紙は、牛乳パックなど上質系古紙100%で、良質なトイレットペーパーを作っています。漂白剤やスライムコントロール剤を使わず、化学薬品の使用を極力抑えています。
ダブルエンボス加工といって、2枚の紙を内側にかたい面を合わせ、外側に柔らかい面を出すように重ねる加工方法で作られた柔らかい感触のトイレットペーパーです。
「ピュアブラウン」は、大阪大学の森住先生(リサイクル工学)も絶賛する国内のトイレットペーパー中で最高の品質を誇るものです。赤ちゃんのお尻を拭いた時に、他の製品だとかぶれてしまうのに「ピュアブラウン」では症状が出なかったという話もあって、「地球にもお尻にもやさしい」という宣伝文句が生まれたりしました。
牛乳パック回収運動から生まれました
牛乳パックに使われているパルプは、カナダの針葉樹のバージンパルプなどを使っており、大変良質なものです。日本国内で1日に使われている900万枚の牛乳パックを作るのに必要な木は、6,000本(森林面積にして2ha)にも及ぶのです。
地球環境を考えるリサイクル運動の盛り上がりの中で、亡くなられた平井 初美さんが代表をされていた牛乳パック連を先頭に、この牛乳パックを回収しようという運動が全国に広がりました。私たちよつ葉牛乳を共同購入する団体としても、当然この牛乳パックを回収する運動に取り組みました。よつ葉乳業も、賛同していただいたのです。
ところが、肝腎の回収業者や製紙工場を見つけるのに、最初の苦労があったのです。なぜなら、当時よつ葉牛乳のパックは、未ざらし(無漂白)の茶色のパックであり、通常の牛乳パックのリサイクルのシステムからは回収を断られたのです。
また、専属的に回収、再生しようとしても、再生されたトイレットペーパーが茶色っぽくなるために、多くの回収業者や製紙会社は尻込みをしました。そういう経過の中で、私たちの運動に共鳴していただいたのが、産業古紙の回収に手堅い実績を持つ、東京の山田洋治商店と、日本で初めて牛乳パックから再生紙を作った、牛乳パック再生の全国トップメーカーである静岡県富士市の丸富製紙だったのです。こうして1990年10月から、よつ葉牛乳のパックリサイクル運動は出発できたのでした。
よつ葉牛乳の未ざらしパックがなくなった現在、よつ葉牛乳のパックは通常の牛乳パックと同じ方法で回収できるようになりましたので、ことさら特別によつ葉牛乳のパックだけでの再生紙作りは必要がなくなりました。
したがって当初はよつ葉牛乳の未ざらしパックで作っていたピュアブラウンは、現在通常の牛乳パック(関東、中部地区のよつ葉牛乳のパックは継続して使用されています)と上質な古紙である茶封筒など普通の古紙で作られるようになりました。
ブラウンは安全のしるし
当初は少し茶色っぽいということで、消費者から敬遠されたこともありますが、今ではむしろ安全な証しとして、高級感のある品質として支持されています。
古くから、下水道施設が完備した欧米では使い捨てになるトイレットペーパーは、無駄を省いた無漂白が常識です。トイレットペーパーに白さを求める日本は、後進国といわざるを得ないのです。
今でも純パルプ製のトイレットペーパーの方の流通量が多く、消費も伸びています。これも最近の古紙価格暴落の一因です。
出口のないリサイクルは成り立ちません。バージンパルプの商品を使う、これではリサイクルは成り立ちません。古紙資源を大切にしていきたいものです。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)