2011年10月4週号 影山陽美さん(左から2番目) |
国産無農薬菜種、圧搾一番搾りの菜種油
昔ながらの圧搾一番搾り
島根県出雲市にある(有)影山製油所の影山陽美代表は国産無農薬菜種から、化学薬品を一切使わず、昔ながらの圧搾一番搾りで菜種油を作っています。トランス脂肪酸、ポストハーベスト農薬、遺伝子組換え、などの心配がない安全な菜種油です。
市販の菜種油では、胸やけがしたり、アレルギーが増悪することがありますが、影山さんの油ではそのようなことはありません。
国産菜種を守り続けて
昔は日本のどこでも菜の花が咲き乱れる風景が見られました。そして、菜種油は、食用はもとより灯火の原料油として日本人に親しまれてきました。しかし、近年、米の早期栽培などで年々その栽培面積が激減し、2001年には政府の栽培補助金も廃止され、いよいよ絶滅の危機を迎えました。
そのなかで、影山さんは国産菜種にこだわり続けています。「国産」「原料の安定供給」を考えれば、菜種は日本人が比較的安価に購入できるとても貴重な油糧なのです。
影山製油所では、かつては国産菜種を全農ルートで、青森県産などとして購入していました。しかし、2001年からはトレーサビリティーを重視して、表作・裏作とも無農薬栽培し有機農業に取り組む農家グループと、農協を通さないで直接取引するようにしています。新聞などで騒がれたエルシン酸(実際には問題とはならず、生で5%程度、湯洗い後の製品にはほとんど残っていない)の含有量の少ない菜種品種「キザキノナタネ」や「ナナシキブ」の種子を渡して、契約栽培を行っています。2010年からは無エルシン酸の品種「キラリボシ」の製品化にも取り組んでいます。
影山製油とオルターとは、影山陽美代表のお母さんサダ子さんからのお付き合いです。よつ葉牛乳の共同購入を始めた当初の仲間の団体からの紹介でした。
影山製油所は30年あまり前に工場が出火して、その再建にも、それらの仲間の団体とともに協力したこともありました。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)