2008年11月4週号 森秀介代表(後列中央)とげんきタウン・スタッフの皆さん |
アレルギーの子どもが食べられるおやつ作り
健やかな子どもの成長のために
げんきタウンの森秀介さんは、アレルギーの子どもでも食べる事のできるお菓子を作る為には、結局、原料の安全性にこだわる事が必要であると、原料の履歴が追跡可能な有機農産物を活動の柱になさっています。
げんきタウンでは、この「アレルギー対応」と「有機の原料」を2本柱にして、雑穀粉、クッキー、ポン菓子、ふりかけなどを作っています。原料にこだわる事は勿論、製粉処理などにより酸化して味が悪くならないように自家製粉したり、品質を守る為に自家洗浄・乾燥を徹底したり、雑穀のえぐみを取りおいしくするために加熱処理を工夫したり、手間を惜しまず製造に取組んでいます。
素材の味が活かされるからこそ、よけい素材の質が大切とされるのです。焼き菓子を作る際にも鉄板に原料がくっつかないようにする離型剤や品質改良剤など化学薬品は一切使用せず、温度管理を工夫してコテなどでいちいちはがすという苦労を厭わず行っています。このように安全な原料の選定、味を大切にした生産管理を真摯に追求し、大変素晴らしいお菓子作りを実現なさっています。
こうして出来上がったお菓子は、もはやアトピー、アレルギーの子どもたちの為だけにとどまらず、これから健やかに成長すべき全ての子どもに食べて欲しいものになっています。「市販のものが食べられないアトピーの子がよく噛みしめて食べてくれている」と森さんはおっしゃっています。オルターの会員からも絶賛する声が届いています。本当に味わって食べられるこういうお菓子のおいしさを認めてくれる子どもが増えていく事を願います。
※アレルギーのお子さんには、たとえ安全な原料でもアレルゲンになる事がありますので、パッケージ裏シールの原料表示、アレルギー表示をよくご確認の上お与えください。
ハンディをもつ人たちと共に
森さんはもともと島根県でせんべい、ふりかけ、雑穀などを作っていました。こだわりのお菓子づくりは、正食に詳しいおじさんに考え方を学び、1988年にスタートしました。製造は試行錯誤を重ねて今日の水準に到達なさいました。
げんきタウンは当初、岸和田市の障害者労働自立センター(CLID)の応援企業のひとつとして出発しました。その関係事業所に森さんが有機米を供給していたのが縁でした。現在その事業所を引き継ぎ、森さんが経営主体となっています。現在でも障害者手帳を持つ人たちが5名働いています。森さんがふだん福祉をあえて口になさらないのは、食べものに取組むこと自体が評価されるべきだと考えておられるからです。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)