2016年7月5週号 永谷 和良・司ご夫妻 |
なかなかおいしい国産無農薬紅茶
農薬を使って苦しんだ経験
永谷 和良さんは、無農薬一筋30数年の百姓です。若い頃、地元で公務員をしていたことがありましたが、仕事のストレスで病気や交通事故になったのがきっかけで、 35歳のとき12年間勤めた公務員を辞めました。1年間木工の仕事をしてから父の農業を継ぎました。
永谷さんが無農薬栽培を始めることになったきっかけは、兼業農家であった父が他界し、跡を継いだある日のことでした。茶畑に農薬散布をしたその夜に酒を飲んだところ、ものすごく苦しくなり、たいした量を飲んだわけではないのに、この苦しさは何なのかを考え、思いあたるものは農薬しかなく、このまま農薬を使い続けていけばどうなるのか恐ろしくなったことからでした。
それ以来、農薬や化学肥料を使うのをやめ、「有機」さらに「不耕起」へと“楽農”を目指し、現在に至っています。
師匠から手ほどき
永谷さんが13年前に紅茶作りの手ほどきを受けたのは、舞鶴市で無農薬の国産紅茶を作っていた故 嵜山 靖治さんです。嵜山さんは日本で初めて国産紅茶作りの運動に取り組んだ関東の水車邑に紅茶作りを学びました。その紅茶がおいしいと全国に口コミで広がってファンを持っていました。永谷さんはその評判を聞いて弟子入りを志願しました。
明治に植えられた老木が元気
永谷さんの茶畑の茶樹は、明治に植えられた百歳を超える在来種の老木です。にもかかわらず、毎年元気に芽を出してくれます。その茶樹に励まされ、12年間研鑚を重ねてきたとおっしゃっています。ここ数年はヤブキタ種の加工も試みています。40アールの茶畑のほかに、ブルーベリー4アールや野菜15アールも、クワ・カマの手作業レベルで極力エネルギーを使わず無農薬で栽培しています。これらもやがてオルターに出荷してみたいとおっしゃっています。
永谷さんは、紅茶や野菜を買ってくれている、天然酵母パンを焼く京都のパン屋「イルチエロ」(グレインマイスターの資格を取得されている)でオルターのことを知り、オルターへ声をかけました。今は、永谷さんもオルター会員です。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)