2014年3月3週号 米沢郷牧場の皆さん(後列真ん中(左から5番目)が伊藤 幸蔵代表) |
米鶏、ついにエサの99%国産化達成
安全でおいしい鶏肉作り
オルターカタログ 2010年1月4週号で、米沢郷牧場伊藤 幸蔵代表が輸入のトウモロコシ(ポストハーベストフリー)を、地域の飼料米などの米に切替えて、自給率を向上させる試験的な取組みを行っていることをご紹介しました。その後、米沢郷牧場グループまほろばライブファーム(肉用鶏の生産部門)ではエサの改良を進め、ついに国産原料99%のエサで鶏を飼育することに成功しました。
もちろん米沢郷牧場が目指してきた、抗生物質無投薬、NON−GMO(非遺伝子組換え)の安全で、柔らかく弾力があり、ジューシーでありつつ、水っぽくなく、味がよくあっさりしていて、香りがあるが臭みがない鶏肉の特徴は健在です。
ヒナから国産飼料99%で飼養
国内のたまごや鶏肉生産のための飼料原料の自給率は10%程度です。しかもポストハーベスト農薬汚染や遺伝子組換え問題のある輸入トウモロコシが主体です。
米沢郷牧場ではこれまで、トウモロコシはPHF(ポストハーベストフリー、収穫後農薬不使用)、NON−GMO(非遺伝子組換え)を使い、大豆かすにも、NON−GMOのものを使ってきました。
輸入穀物の国際相場の高騰もあって、飼料の自給体制の確立をめざし、2001年から稲のホールクロップサイレージ(茎、穂をいっしょにサイレージにする方法)に取組み、2004年から規格外米やくず米の導入実験を始めました。2006年からはさらに地域の仲間と飼料米を栽培し、その活用に取組みました。2009年には米を中心に国産原料を77%使った米鶏の試験供給を開始していました。
そして、地域の飼料米をはじめ、域内の鮭かす、酒かす、米ぬか、近隣の大豆かす、魚粉、醤油かすなどの未利用資源を独自に設計し、ヒナからはじまる全飼育期間で、ついに国産原料99%の飼料での飼育を達成しました。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)