2017年4月1週号 山本 周作専務(前列左から2番目) |
国産丸大豆醤油、おいしくできました
杉桶仕込み
オルターカタログ2015年12月3週号でご紹介した金山寺みその生産者、(株)大正屋醤油店の国産丸大豆醤油のご紹介です。
島根県安来市にある(株)大正屋醤油店の四代目 山本 周作専務は、地元安来市能義平野で栽培される大豆と、小麦、塩だけを原料に使った伝統的な古式製法で、食品添加物などを一切使わず、醤油造りをしています。温度管理を一切しない蔵には有用な微生物がたくさん生息する杉桶が並べられ、1年半以上の発酵・熟成を経て製品化しています。
天然醸造
冬から春にかけて、蒸した大豆と炒煎した小麦で造った醤油麹と食塩(天日塩)水をしっかり混ぜて仕込み、諸味を作ります。仕込み後、1週間に約1回の割合で撹拌して醤油酵母の増殖と発酵を促します。発酵は夏場に最盛期を迎え、冬には醤油の色と香りのする諸味となります。四季の変化を利用した昔ながらの製造方法「天然醸造」です。
オルターのACでもある「ゆうきネット山陰」西村 敏代表の紹介で、2015年秋に工場を訪問した時、この醤油はまだ浅辛く若かったので、醤油の取扱いは後回しにして金山寺みそのご紹介を先にしました。このたび、この醤油がおいしさを増し、オルターとして取扱いレベルに達したと判断できましたので、ご紹介することとなりました。
昔ながらの製法を復活
1926年(大正15年)創業の大正屋醤油店は 四代目となる山本 周作専務が9年前の2008年に帰ってくるまでは、ごく一般の醤油屋でした。山本 周作さんは東京農業大学醸造科を卒業したあと、千葉県と埼玉県の天然醸造をしている二つの醤油屋で修業を積んできました。
島根に戻ってきて、閉鎖的な地域性もあって、今でも当然のように添加物で味付けしている醤油屋が多く、昔ながらの製法の醤油屋がほとんどなくなってしまっていることに気づき、島根県でもほんものの醤油が食べられるようにと、自ら昔ながらの杉桶の製法を復活させ、さらに加熱もせず、絞ったままの生揚げ醤油(生醤油)を作ることを決意しました。
一時は、ほとんどがタンクになっていた工場を新しい工場に建て替え、100年以上前から使われていた古い杉桶を修理して使い、地元山陰のできるだけこだわりの原料を使って、工場の温度管理を一切しない天然醸造の醤油を作り始めました。以来9年間、今も試行錯誤を続けています。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)