2022年12月2週号 高橋 一精14代目社長㊨と息子の高橋 清太朗さん |
甕仕込みの有機玄米くろ酢
極めて貴重な甕仕込み
福岡県大川市にある(株)庄分酢(旧:酢屋商店)高橋 一精(かずきよ)14代目社長は、一子相伝で代々受け継がれてきた311年の酢造りの伝統技術を活かし、半分地下に埋められた甕仕込みの静置発酵法で有機玄米くろ酢を製造しています。
甕仕込みは日本古来の調味料の発酵技術です。しかし、江戸時代、江戸(現東京)の人口が100万人になったことで、大甕が不足し、杉桶が主流になりました。さらに近年では甕やその杉桶も姿を消し、ステンレスやホーロー、さらにはFRP樹脂へと変遷を遂げています。
発酵の質は陶器の遠赤効果のある甕が一番優れています。安全性についてはプラスチック成分の溶出のあるFRP樹脂は一番問題で、ホーローもヒビが入れば金属成分の溶出が問題となります。
したがって、甕仕込みは現在、極めて貴重な製造方法となっています。甕のフタに使う紙蓋は和紙に柿渋とフノリを塗ったものです。
蔵付きの発酵菌に守られ、甕の中でじっくりと静置発酵された玄米くろ酢はそれ自体でたいへん価値のあるものです。ただし熟成をおこなう貯蔵タンクについてはFRP樹脂なのでオルター仕様では暫定です。
工場も有機JAS認定
庄分酢は1711年4代目清右衛門さんが酢の商売を始めました。
筑後平野の豊富な米、水を原料に支えられてきました。1980年代、無農薬玄米を使った酢を製造し始めたのは13代目清悟社長でした。
有機JAS加工食品工場に認定されたのは、2001年です。光食品が原料として庄分酢を採用したことがきっかけでした。
光食品の原料として使われていたことから、オルターとしてもその存在に注目していました。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)