琵琶湖の自然栽培農業者を守り、魚を守り、漁業を守り、下流の水道を守る
「魚のゆりかご水田米」は琵琶湖から田んぼに遡上してきた魚が産卵し、魚の子供が成育した水田で栽培された滋賀県が認証しているお米です。
堀彰男さん(せせらぎの郷)は滋賀県野洲市須原で無農薬・無化学肥料の「魚のゆりかご水田米」を栽培している唯一の生産者。
須原はむかし水郷地帯で、小学生のころの頃の遊びといえば水路の水遊び。雨が降れば魚が田んぼに上がってくるのを子どもながらにわかっていて、それを捕まえるのが本当に楽しかったそうです。しかし、昭和47年頃からの圃場整備と農薬で、いつしか魚は田んぼに来なくなりました。
昔のことを思い出して、「もう一度、あの頃の田んぼを蘇らそう!」と同士で集まり、魚が生息する田んぼを復活させようと、魚が田んぼにあがりやすく、排水路や田んぼの入り口に魚道を設置する方法を開発。2003年に「魚のゆりかご水田プロジェクト」が誕生しました。
活動内容
フナは約10cmしかジャンプできないため、毎年田んぼに水を張る時期だけ、水路から10センチずつ水面を上げていく何段もの堰(せき)で魚道を作ります。産卵時期、フナはこの堰をさかのぼって水田に入ります。この魚道を設けることで、水田から流れ出る濁った水は泥を沈殿させながら琵琶湖に注ぎます。田植え時期、従来の農法では水田から濁水が大量に流れ込みますが、魚道は悪化しがちな琵琶湖の水環境の水質の保全にも役立っています。
魚のゆりかご水田魚道
世界農業遺産
2022年7月、堀さんたちの活動を含む「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」がFAO(国連食糧農業機関)による世界農業遺産に認定されました。
無農薬・無化学肥料の田んぼを増やしたい
「魚のゆりかご水田プロジェクト」活動への理解を広げることで、皆さんに米を食べていただき、減農薬から無農薬・無化学肥料米を栽培する仲間を増やしたい。田んぼが安心・安全な環境となり、生きものが豊かに育つ、自然と共生するお米づくりを目指しています。
魚のゆりかご水田 無農薬・無化学肥料米圃場
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)