農家が作る腸にやさしいこだわり豆腐 〜大豆サポニンをすくい取っています〜
(株)白鷹農産加工研究会
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鈴木 雄一代表(写真右)とスタッフの皆さん |
無農薬・無添加豆腐
「あなたのいのちを守る安全な食べもの百科」(拙著)p.31やオルターカタログ(2007年12月2週号・2013年10月2週号)でご紹介した、山形県白鷹町の(株)白鷹農産加工研究会 鈴木 雄一代表は、自園で栽培した無農薬大豆や、不足時はオルターの他の生産者からの無農薬大豆を原料に、消泡剤など食品添加物を一切使わず、海水にがりだけで昔ながらの固めの木綿豆腐を作っています。
木綿豆腐は昔なつかしい味です。豆腐作りに素人だった農家の手造りとは思えません。関連製品の豆乳、甘酒豆乳(甘酒と豆乳の混合ドリンク)、ドライおから(白鷹町内障がい者通所作業施設と提携)なども製造しています。
大豆サポニンをすくい取っています
一般の豆腐メーカーでは、大豆を粉砕した「呉」を煮沸する際、密閉釜を使って105℃まで沸点を上げ、泡を生じさせずに炊きます。大豆を煮沸したときに出る泡は大豆サポニンを含むので、その泡をすくわず炊くと、大豆サポニンを大量に含んだ状態の豆腐ができてしまいます。大豆サポニンはリーキーガット症候群(腸管壁浸漏)の原因になるという研究報告があります。
(株)白鷹農産加工研究会では密閉釜の蓋を開け、大豆サポニンを含む泡を最大限にすくいとって製造します。
精力的に農産加工に取りくむ
(株)白鷹農産加工研究会がオルターと提携を始めた当初は、もちや漬物などの農産加工品をオルターに届けていただいていました。オルターが無農薬の穀物作りを全国の生産者に向け呼びかけたところ、いち早くこの呼びかけにも呼応していただきました。
これら雑穀や玄米を原料に山本 朝子顧問提唱の特許製法、発芽モード®調理を行った甘酒、甘麹、さらには防災グッズとしての「ソイバー」などの開発を続けてきました。
六次産業化のお手本
これらの活動が認められ、2013年には東北農政局より総合化事業計画「地域資源を活用した農林漁業者などによる新事業の創出等及び地域の農産水産物の利用促進に関する法律」、いわゆる六次産業化計画事業推進団体としての認可を受けました。
さらに、このような地域での活躍を認められ、となり町の飯豊町で建設したものの町のお荷物になっていた豆腐工場をほぼ無償で提供されたのを機に、その活用のため豆腐作りを始めることになりました。
栽培した農作物をただ出荷するだけではなかなか地域が豊かになりませんが、それを加工し付加価値をつけ、地域での雇用を促進し、田畑の緑を守り、食の安全を守り、ひいては日本の食を守る(株)白鷹農産加工研究会のこのような試みにエールを送りたいと思います。
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